「夜半の明星」木星の観測シーズンが到来!見逃せない月との大接近も
今回は、「巨大ガス惑星」に分類される木星の特徴と、11月と12月におこる木星と月の共演についてご紹介します。
約マイナス3等の明るさに!一晩中夜空で輝く観望の好機
画像:国立天文台
観測しやすい状態が続くのは2024年3月頃まで。4月中旬以降は太陽に近付いて見えにくくなります。5月中旬には、地球から見て太陽と同じ方向に位置する「合(ごう)」を迎え、見えなくなります。木星が再び姿をあらわすのは6月下旬頃。明け方の東の空に、美しい姿を見せてくれます。
私たちが見ているのは雲!木星の知られざる姿
白く見える明るい部分(帯)は上昇気流でできた高い雲、暗い部分(縞)は下降気流による低い雲と考えられています。そのなかに見える大赤斑や白斑は、巨大な嵐の渦!特徴的な楕円形の大赤斑は、地球が2個並ぶほどの大きさがあります。
木星の自転速度は約10時間。太陽系の惑星のなかでも最速のスピードで自転しており、東西方向に強く風が流れます。そのため、この方向に雲が並び、鮮やかな縞模様となるのです。
年内におこる、注目したい木星と月の共演
画像:国立天文台
満月を2日後に控えた丸い月が、薄明の東空で輝いています。夕闇に包まれる頃に輝き出す木星は、月のすぐ下に姿をあらわします。月と木星が最も接近して見えるのは、東京の場合は17時過ぎになります。2つの天体は夜半前には並んで天高く登り、夜明け前に沈んでいきます。
画像:国立天文台
日没が迫る頃、南東の空で月と木星が並んで輝いています。最も近付いて見えるのは、東京の場合は22時過ぎ。西南西の空で明るく輝く2つの天体を見上げてみましょう。その後、月と木星は徐々に離れていき、翌日の3時頃には沈んでいきます。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・参考サイト
アストロアーツ「2023年~2024年 木星」
国立天文台「ほしぞら情報2023」