地震が多い季節ってあるの?意外と知らない、地震と気象の関係性を解説!
また後半には、特に危険だといわれている冬場の地震に備えて、最低限ストックしたい防災グッズについても紹介しています。是非チェックしてください。
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地震発生のメカニズムについて
日本列島周辺には、4つのプレートがぶつかり合い、地盤の境界が複数存在しています。このプレートは年間に数cm~数十cmの速度で動き、隣接するプレートの下に沈み込んでいきます。沈み込める限界がくると元に戻ろうとする力が働き、そのエネルギーで地震が発生します。東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)はこのメカニズム(太平洋プレートと北米プレートの境界)で引き起こされた地震です。
私たちが住んでいる日本列島の地下にはいくつもの割れ目があり、その割れ目がずれているところを断層と呼んでいます。この断層にプレートの移動など何らかの大きな力が加わることで、再びずれが生じ、その衝撃が震動して地面を伝わるものが地震となります。このような断層を活断層と呼び、一度動いた断層は動きやすくなり、繰り返し地震を発生させる可能性があります。
「気象」と「地震」の関係性について
では、なぜ降水や積雪が多いと内陸型の地震が活発になるのでしょうか。
特に雪の多い地域では、雪の重みで地殻深部を押し付ける力が大きくなり、地震が発生しやすくなることがあるようです。また、春や夏になると、雪解け水が地殻内部に浸み、水圧が高まることでも、地震を誘発する可能性を高めると考えられている、とのことでした。
M7.0以上の内陸型地震に季節傾向はあるのか
左図は1996年以前に発生したマグニチュード7.0以上の内陸型地震の数を月別に集計したグラフで、左側が雪の多い地域、右側が雪の少ない地域を示しています。
結果を見ると、雪の少ない地域のグラフでは、季節と地震の発生頻度について、特に目立った傾向はありませんでしたが、雪の多い地域では、秋や冬よりも、春や夏にかけて地震の発生頻度が高いことが分かりました。
右図に示した日本地図上にプロットされている青色の四角形は、冬の最大積雪深の平均値が20cmを超えた地点、つまり「雪の多い地域」を示しています。こちらでも、「雪の多い地域」と内陸型地震が発生した地域が似た傾向を示しているのも確認することができます。
しかし、2024年の元日に発生した能登半島地震のように、真冬に発生する内陸型地震もあるのが現状です。一概に「この季節に地震が発生する」ということではありませんので、季節に関係なく、油断せずに日頃から地震への備えをしっかり行うようにしましょう。
■参考文献:Heki, K. (2003), Snow load and seasonal variation of earthquake occurrence in Japan, Earth Planet. Sci. Lett., 207(1-4), 159-164.
冬場の地震に備えて
衛生用品については、長期間断水の可能性を考慮すると、歯磨きシートやマウスウォッシュ、簡易トイレなどがあると衛生的に安心できます。
食料は代表的なものを1つずつしか用意していませんが、1人あたり1日3リットルのお水や9食分の食事を目安に準備するようにしましょう。普段からローリングストックをしておくことも重要です。
また、防災グッズとして懐中電灯がよく挙げられますが、光が広がる半円上のLEDライトを使うと、室内全体を明るく照らすことができるため、おすすめです。100円ショップで買うこともできますよ。
是非、防災グッズを揃える際の参考にしてみてください。