オーロラって何?発生メカニズムや意外な観測スポットを解説
オーロラの基礎知識
オーロラが発生するのは、雲が発生する対流圏よりも遥かに高い、電離層と呼ばれる部分です。通常、オーロラが発生するのは高度約100~250km程度ですが、太陽活動が活発な際には上端が500km~800kmに達する場合もあります。
オーロラというと、カラフルな色を思い浮かべる方が多いかと思いますが、現れる色は太陽からやってきた粒子がどの原子とぶつかるかによって変わります。酸素原子は、大気の空気密度によって赤か緑に、窒素原子は青やピンクに発光します。
オーロラの上端では、空気が薄いため酸素原子が赤く発光しますが、中層では空気密度が濃くなるため、酸素原子は緑色に光ります。オーロラの下側では、空気密度が更に濃くなるため、酸素原子が発光出来ず、窒素原子が青やピンク色に発光します。この発光の仕組みは、蛍光灯やネオンサインが発光するのと同じ仕組みです。
オーロラが北極や南極で見られる理由
オーロラはいつ・どこで観測できるのか
また、オーロラは極にいけばいくほど見やすくなるわけではありません。磁極を中心とした地磁気緯度65°~75°のベルト状のエリア、いわゆる「オーロラベルト」で発生することが多いのです。
このオーロラベルトは、北半球ではアラスカやカナダ、アイスランドや北欧にあたり、南半球では昭和基地など南極大陸にあたります。
なお、南半球でオーロラ鑑賞ツアーをあまり耳にしないのは、オーロラベルトが南極大陸にあたり簡単に訪れることが出来ないからです。北半球では、アラスカのフェアバンクスやカナダのイエローナイフ、アイスランドのレイキャビクや、フィンランドのロヴァニエミなどが有名なオーロラ鑑賞地と言われています。
日本でもみられる低緯度オーロラ
低緯度オーロラは、中低緯度の上空(例えば北海道上空など)までオーロラが広がるわけではなく、高緯度で高い高度まで発生した、活発なオーロラの上端が見えていることになります。このため、高緯度で観測されるカラフルなオーロラとは違い、低緯度オーロラは赤いオーロラとなります。
飛行機からオーロラがみられる可能性も
しかし、雲よりも高い位置を飛ぶこともある飛行機からなら、時期とタイミング次第で、雲の有無に左右されずにオーロラを観測出来ます。日本からヨーロッパに向かう「行き」の飛行機では、北極圏を通る北回り航路の場合が多く、冬場はオーロラベルトを夜間帯に通過する時間が多いため、運が良ければオーロラが見れるかもしれません。
一般的な北回り航路では、アラスカ周辺とアイスランド周辺でオーロラベルトを通過します。出発地や目的地、当日の風の状況などにもよりますが、出発から5~6時間程度でアラスカ周辺に到達し、到着の3~4時間前にアイスランド周辺を通過する場合が多いです。機内サービスが終わり、消灯している時間の場合もあるため、機内のフライトマップを見ながら現在位置を確認してみると良いでしょう。
ヨーロッパから日本に向かう「帰り」の飛行機でも北回り航路で飛ぶ場合もあります。北回り航路の飛行機に搭乗した際は、機内のフライトマップを見ながら、オーロラを探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
〈参考文献〉
一生に一度はみたい絶景の楽しみ方 オーロラウォッチングガイド Aurora 誠文堂新光社