さあ春分を迎えれば、春本番です。あなたの春のお楽しみを満喫しましょう!
信州・小川村の春(二反田の桜)
「春分」とは春の到来をお祝いする日
政府広報オンラインで国民の祝日を調べてみると「春分の日」は「自然のあらゆる生命が若々しく盛り上がる時」として自然をたたえ、生物をいつくしむことを目的に祝日になったとされています。
豊かな自然を観察し生活の糧として利用し、寄り添い生きてきた日本人が持っている春への思いそのものといえそうです。
二十四節気の一つであり、天文学的にはこの日から夏至(2024年は6月21日)までが春とされています。
春分を中日とした前後3日間がお彼岸です。温かいかと思えばぶり返す寒さにあわててマフラーを厚く巻いたり、変化する気温の激しさに戸惑いながらも、ようやく春の足音を実感できるのがお彼岸の7日間でしょうか。それぞれの学校では終業式や卒業式のシーズンと重なり、春の光がすべての人の成長を輝かせてくれるようです。
≪頬燃えて自画像出来ぬ卒業す≫ 皆吉爽雨
人生にはいろいろな卒業のシーンがあり、誰にも思い出として刻まれていることでしょう。土地によってはまだまだ寒さの残る場所も多く春の訪れはもう少し先という地域でも、見えてくるのは希望ではありませんか。厳しい冬を越えたゆえの春の喜びはひとしおです。
春の夜空では「北斗七星」と「北極星」を見つけよう
北斗七星と北極星
「おおくま座」とペアで語られる「こぐま座」のしっぽの先に輝くのが「北極星」です。天の北極にもっとも近い星、という意味でこのように呼ばれています。真北の空にほぼ動くことなく輝くことから、北の方角を教えてくれる大切な星として船乗りたちの道しるべとなってきました。
他の星たちは動くのになぜ「北極星」だけ動かないの? という疑問が湧きます。「北極星」が輝く位置天の北極とは、地球の自転軸の延長線上となるのです。つまり自転する地球上にいる私たちから見れば、「北極星」はいつも北の同じ位置に存在することになるのです。位置を知る目印になるのが現在位置の緯度です。「北極星」の高度は、その場所の緯度とほぼ同じということです。東京でしたらおよそ北緯35度、札幌でしたら北緯43度、沖縄でしたら北緯26度を目安に見つけられます。このように「北極星」は北の方角だけではなく、見える角度により自分たちの居場所を知る手立てとなることがわかり、船乗りたちがいかに頼りにしたかがうなずけます。
この春どこか遠い所へ旅行する機会がありましたら、夜空を見上げ「北斗七星」「北極星」を見つけて、地平線や水平線からの高さを確認してみてはいかがでしょうか。宇宙の中に存在する自分を感じられそうですよ。
春の野は可憐な花がいっぱい! 早春の若草を楽しみたい
春を告げるかたくりの花
≪かたかごの花のさゞなみ青空へ≫ 沢木欣一
群れて咲く「かたくりの花」のようすが見事に捉えられ、春風さえ感じさせてくれます。春はこのような野原に活き活きとした緑をあらわす若草とともに咲く花に心が惹かれていきます。
「たんぽぽ」は道端から空地や公園の芝生の上にも、小さな黄色の花が春の光をより明るくみせて咲きます。花びらの多い花のように見えますが、じつは花びらに見える一つが花弁に雄蕊と雌蕊を備えた一つの花となっているのです。花が終わってふわふわの綿毛になり、1本1本に種を持って運んでいくことを思うと、たんぽぽは花の集合体だったのだと納得させられます。
「かたくり」も「たんぽぽ」も若い葉は食用にしてきました。長い冬が終わって出てくる緑のやわらかい葉には生命力がたっぷり。昔の人にとっては大切な栄養の元だったことでしょう。