「皆既月食」とは? いつ・どこで見られる? 2025年のチャンスは2回
太陽・地球・月のコラボ 月食のしくみ
ただ「月食」と一言で言っても、実は、種類があります。上の画像にあるとおり、まず地球の影には2種類あって、太陽の光がほとんどさえぎられた濃い影は「本影」、本影の周りの薄い影が「半影」です。
半影食・部分食・皆既食の違い
「本影食」にも2種類あり、月の一部だけが地球の本影に入り込む現象は「部分食」、月の全てが地球の本影にすっぽり入り込んで、月全体が暗くなる現象は「皆既食」です。
皆既月食の最中、月は真っ黒に見えるのではなく、赤銅色に見えます。というのも、大気によって、波長の短い青い光が散乱され、波長の長い赤い光が残ることで、かすかな赤い光が、月の表面を照らすからです。なお、大気中にチリが少ないほど、大気を通り抜ける光の量が多くなり、明るいオレンジ色に見えます。
皆既月食 2025年のチャンスは2回
1回目は3月14日で、日本時間の14時~18時頃に、皆既月食が起こります。
ただ、今回、皆既月食が見られるのはハワイ・南北アメリカなどで、日本では皆既月食は見られません。北海道・東北地方(一部を除く)・関東地方東部・小笠原諸島で、部分月食(欠けた月が昇ってくる月出帯食)を見られる可能性があります。しかし、欠けた月が昇ってくる位置が非常に低く、さらに月の出から部分食の終了まで10分程度と時間が短いので、観察するのはかなり難しくなりそうです。
2回目は9月8日で、こちらは日本でも皆既月食が楽しめます。
日本全体で皆既月食が見られるのは、2022年11月8日以来、およそ3年ぶりです。7日夕方に昇った満月は、8日1時27分に欠け始めます。満月がすっぽりと地球の影に入る皆既食は2時30分~3時53分、その後4時57分に部分食が終わります。
未明~明け方にかけての満月の姿が移り変わる時間帯は、晴れていれば気温がグングン下がる時間帯です。皆既月食を見る際は、体を冷やさないよう、ご注意ください。
なお、2025年9月8日の次の皆既月食は、2026年3月3日、こちらも日本で見えます。ただ、皆既月食は毎年楽しめるわけではなく、その次は2029年1月1日です。
皆既月食 観察のポイントは?
この赤い月は、スマートフォンやデジタルカメラ、ビデオカメラで撮影することもできるでしょう。満月が地球の影によって、どんどん姿を変えていく様子を、ぜひ、楽しみたいものです。
そのためには、月の位置をあらかじめ確認しておくのがポイントです。皆既食になってしまうと、月を見つけるのが難しいことがあります。月が欠ける前に、早めに月の位置を確認しておくのが、おすすめです。
また、空の暗い場所で観察すると、皆既月食が始まるのにつれて、月明かりが暗くなり、まわりの星が一段とはっきり見えてきます。いつもとは違った星空を楽しむのも、思い出に残りそうです。
そして、何よりも月食を楽しむには、スッキリ晴れていることが重要です。事前に天気予報を確認してください。