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    「本当に前向き」震災経験者たちの強さに触れて…山火事の被災地で“心を込めたコーヒー”を届ける地域おこし協力隊の男性 大船渡市の復旧を後押し【岩手発】

    岩手県大船渡市で起きた山林火災の被害を受けた地域で、都市部から移住し「地域おこし協力隊」として活動する木崎和也さん(30)の姿があった。好きな景色を失った悲しみを抱えながらも、趣味のコーヒーを被災者に振る舞うなど、復旧を後押しする活動に取り組む木崎さんの思いに迫った。

    山林火災で失われた「好きな道」

    大船渡市の地域おこし協力隊として活動する木崎和也さん(30)は、自身の住む地域に直接的な被害はなかったものの、山林火災により好きな景色を失った。

    「トレイルで綾里崎を歩いていてその道がすごく好きだったので、あの道が、あの自然が見られないかと思うと悲しい思い」と話す木崎さんの言葉からは、無念さが伝わってくる。

    埼玉県出身の木崎さんは、以前は会社員として働いていたが、コロナ禍をきっかけに地方への移住を検討。初めて訪れた大船渡市の魅力に惹かれ、2022年に地域おこし協力隊として移住を決意した。

    現在は妻と長女とともに暮らす木崎さんは、大船渡市の魅力について「色々あるんですけど、食と自然と人かなって思っている」と語る。その言葉からは、地域への深い愛着が感じられる。

    火災の影響で70人の予約がキャンセル

    木崎さんが活動拠点の一つとしている甫嶺復興交流推進センターは、閉校した小学校をリノベーションした施設だ。

    校庭には自転車競技「BMX」のコースが整備され、体育館ではスケートボードが楽しめる。最大72人が宿泊可能な設備も備えている。

    しかし、今回の山林火災は、直接的な被害こそなかったものの、センターに大きな影響を及ぼした。

    木崎さんは「直近1週間の(宿泊)予約はこちらからキャンセルさせていただいて、団体の予約がキャンセルになり、全部で70人ぐらいがキャンセルとなった」と説明する。

    コーヒーで被災者を励ます

    避難指示によって一時的に仕事場に行けない状況に陥った木崎さんだったが、そんな中でも自分にできることを模索し続けた。

    木崎さんは、大船渡市に来た当初からセンターで毎週コーヒーを提供してきた。自ら豆を選び、焙煎し、こだわりの一杯を地域の人々に振る舞ってきたのだ。

    山林火災発生後、木崎さんはボランティアとして避難所を回り続け、発生からまもなく1カ月となる3月22日も、心を込めてコーヒーを振る舞った。

    「このコーヒーを飲んでいる瞬間だけでも気晴らしというか『コーヒーだけに集中してもらえたら』という思いで入れた」と木崎さんは語る。被災者の心の痛みに寄り添い、ほんの一瞬でも癒しを提供したいという木崎さんの温かい思いが伝わってくる。

    被災者の強さに触れて

    木崎さんには山林火災で被災した人と接する中で感じたことがあった。

    大船渡市地域おこし協力隊 木崎和也さん:
    震災の経験があったからなのか皆さん本当に前向きで、この後どうしようという切り替えが早い印象で、すごいなと思った。

    東日本大震災の経験を乗り越えてきた大船渡市の人々の強さに、木崎さんは深い感銘を受けた。大船渡市の力になりたいという木崎さんの思いをさらに強くした。

    「大船渡に来ていただく方や関わる方が増えるような活動や発信をしていきたいなと思う」と話す木崎さんは、大好きな大船渡市のためにできることを模索し、まちの復旧・復興を後押ししていく決意を新たにしていた。

    (岩手めんこいテレビ)

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