大人の味わい!?肉料理とベストな組み合わせのハーブとは?
ローズマリーとチキンの香草焼き
近年、ジビエや熟成肉を食べさせる専門店や肉バルなど、様々な種類や部位の肉を味わえる店や各国の肉料理を味わえる店も増えてきて、私たちも知らず知らずのうちに様々なハーブと出会う機会は増えているかもしれません!
本日は「いい肉の日」にちなみ、肉料理とマッチする代表的なハーブについてみていきます。
1度は食べてみたい!美味しい各国の肉料理
ドネルケバブのピタパン
<シュラスコ>ブラジル
シュラスコは鉄串に牛肉や豚肉、鶏肉を刺して荒塩(岩塩)をふり、炭火でじっくり焼いたブラジルをはじめとする南アメリカの肉料理です。ラテンアメリカの人々は肉を主食にしているため、よくこの料理を食べているそうです。
<ジャークチキン(ポーク)>ジャマイカ
あの人類最速のウサイン・ボルトも、故郷のジャマイカでジャークチキンを食べて育ったとか。カリブ海に浮かぶ島、ジャマイカの国民的な名物料理。レストランはもちろん、街中にたくさんの屋台が並んでいる、ジャマイカを代表するお料理なんです。
もともと「ジャーク(ジャーキング)」とは、皮をはぎフォークなどで穴を刺しスパイスをしみこみやすくさせる調理方法のことで、ポークやその他の肉や魚にも使います。主にオニオンやチリパウダー、シナモン、ナツメグなどを使いますが、はっきりとした定義はなく家庭ごとに味付けが異なります。
<タンドリーチキン>インド
チキンをヨーグルトやカレーのスパイスとなるターメリック(ウコン)やクミンなどにつけて、タンドリーと呼ばれる窯で焼きあげた料理です。インドではたいへんポピュラーで、パリッと焼かれているのに肉の身離れがよく、ビールやワインに大変よく合います。見た目が赤いものは、食紅やパプリカなどで色をつけているものが多いようです。骨なしのものをチキンティッカといいます。
<ケバブ>中東地域
ケバブ屋台などをよく街中で見かけるほどポピュラーになりつつあるケバブ。ケバブとは中東地域とその周辺地域で供される、肉・魚・野菜などをローストして調理する料理の総称です。中でもドネルケバブの名称はトルコ語で、回転させ、肉をローストさせたケバブの意で、塊肉を削りピタパンやトルティーヤなどに野菜と合わせてはさみ、ソースをかけていただきます。塊肉は、ヨーグルトやバジル、タイム、フェンネルなどにつけこみます。
肉の種類で選ぶハーブ&スパイス
タイムとステーキ
ハーブは自家製栽培ができますが、スパイスと呼ばれるものは、熱帯アジアから陸路、海路を経てヨーロッパに持ち込まれたこしょう、クローブ、ナツメッグ、シナモンなどのように、ヨーロッパでは自家栽培できない植物の根や茎、樹の皮、果実、種子類が多いです。大航海時代以降、中南米から持ち込まれたオールスパイスや唐辛子なども同様で、当然長い旅路を経ることから普通は乾燥させられています。
肉別にみると、よく使われるハーブとスパイスは以下の通りです。いろいろな料理が思い浮かびますね!
<牛肉>
ヒレやサーロインを使った場合はあまり強い香りのスパイスは使われず、アクセント的なスパイスが用いられます。肩・もも・尾の部位を使用した場合、肉を柔らかくするために煮込み料理にされることが多いため、多くのスパイスが用いられます。
煮込み:ブーケガルニ(ローレル、タイム、パセリ)、クローブ、オレガノ
焼く・炒める:ブラックペッパー、ガーリック、タイム
仕上げ:ホースラディッシュ
<豚肉>
豚肉特有の臭みを消す為と豚脂にマッチする香りの強いスパイスが使われます。
煮込み:八角、山椒、五香粉
焼く・炒める:ジンジャー、セ-ジ、キャラウェイ
揚げる:ナツメッグ、クローブ
仕上げ:マスタード
<鶏肉>
鶏肉自体の味が淡白なのであまり強い香りのスパイスは鶏肉自体の味を消してしまうこともあります。そこでやさしい香りのハーブスパイスが中心に使われます。
煮込み:ローレル、ジンジャー、シナモン
焼く・炒める:バジル、マスタード、タラゴン
揚げる:パプリカ、タイム
仕上げ:チリーペッパ-、わさび
<羊肉>
羊肉には成羊のマトンと子羊のラムがありますが羊肉自体クセが強いのでそれを抑えることが料理をおいしくするコツです。特有な臭みを消すためにある程度香りの強いスパイスが使われます。
煮込み:オールスパイス、クローブ
焼く・炒める:ローズマリー、セージ、マスタード、スペアミント
引用・参考:
ヱスビー食品株式会社ホーム スパイスハーブ総合研究所
肉料理にベストマッチなハーブたち
ソーセージに使われるコモンセージ
<ローレル(ローリエ)>
お肉料理によく使うハーブといえば、ローレル(ローリエ、月桂樹)。香りがマイルドなので、ポトフやシチューなどのあっさりとした味付けの煮込み料理と好相性抜群です。
<タイム>
肉だけでなく魚にも幅広く使われるタイム。ほのかに甘くすがすがしい香りをもつハーブで、焼く料理には何かとタイムは重宝します。子羊の香草焼き、ムニエル、ステーキにも相性抜群です。鉢植えでも栽培しやすいハーブなどで一鉢あると何かと便利です。
<ローズマリー>
少し強めの青くさい香りが特徴です。ポテトを使った肉料理は定番です。
刻んだりせず、オーブン料理などで枝のまま使うことが多いです、少し油にいれてで温めるだけで良い香りが移ります。フライパンなどにいれる場合は焦げやすいので、すぐひきあげるのが美味しくいただけるポイントです。ミントやクローブなどと同様、ちょっと野性味のある肉や青み魚に使えば臭み消しにもなり相性がよいです。
<セージ>
濃厚な香りとホロ苦みがあるハーブ。個性的な香りは油分と合わさるとコク味に変わるのが特徴で、バターとの相性は抜群です。ソーセージはこの、セージに由来する豚料理で、豚肉との相性も最高です。様々な種類のセージがあり、花もかわいらしいのでこちらも一鉢あると楽しめます。
<オレガノ(ワイルドマジョラム)>
マジョラムと似た香りですがオレガノのほうが強い芳香です。冬の間は地面をはっていますが、春になるとつぼみをつけてたちあがり繁殖力旺盛なハーブです。肉料理に使うブーケガルニー・ハーブ入りパン粉・ハーブオイルにミックスするハーブとしてお馴染みです。イタリア料理やメキシコ料理の必需品でチーズや卵料理にも相性がよいですよ。
ほかにも、バジル・パセリ・コリアンダー(パクチー)・タラゴン・フェンネル・チャイブなどもお肉料理とあう代表的なハーブですね。
参考:
「ハーブ・ハーブ 育てる・食べる・作る」永岡書店
「ラベットラ落合務のイタリアン」世界文化社
オレガノの花
免疫力UPには欠かせないお肉を、ハーブやスパイスで美味しくいただいて、やってくる寒い季節をのりきりましょう!