全国の旬の味覚を追いかけよう!新じゃが前線北上中!
ほりたての新じゃがはつるつるぴかぴかです
皮が薄くみずみずしいのが特徴です。
桜前線があるように、新じゃがにも収穫時期を示す前線があります。
1月に九州産が店頭に並ぶのを皮切りに、夏の北海道産の出荷まで、前線は徐々に北上していきます。
2月~6月頃は、九州地区の鹿児島や長崎で収穫されたもの、
5月~8月頃は、関東地区の千葉や茨城で収穫されたもの、
そして7月~8月頃に北海道で収穫されたものを、新じゃがといいます。
皮付きのまま調理すると、ビタミンC、カリウム、ペクチンなどの損失を抑えられます。
この季節ならではの皮ごと調理を楽しんでください。
新じゃが料理を囲んで、家族とどこでとれたものかについて語り合うのも素敵な時間ですね。
じゃがいもの和名は「馬鈴薯」 では「じゃがいも」の名前の由来は?
思い出してください!小学校の授業でジャガイモを植えませんでしたか?
葉の茂った”じゃがいも”畑で掘ってみましょう。
しなびたタネいもといっしょに太い茎から10本くらいの細い白い茎が伸びて、その先は、それぞれがほんのりふくらんでいます。これが収穫期までにはずっしりとふくらみ、掘ってみればたくさんのいもが鈴なりになります。タネいもの約15倍もとれるというから驚きですね。例えば60グラムを植えつけると3か月半ほどで1キロになる換算です。じゃがいもが飢饉に役立つとされるのも納得ですね。
そして「じゃがいも」の名前の由来は?
原産はアンデスの高地ですが、日本に入ってきたのは慶長年間です。オランダ人が東洋貿易の根拠地としていたジャワ島のジャカトラから来たので、「じゃかとらいも」が「じゃがたらいも」となり、後につまって「じゃがいも」となりました。
主だった「じゃがいも」の種類は以下の通りですが、近年たくさんの種類がうまれ、さらに色や味わいを楽しめるようになりましたね。
【男爵 】
ホクホクの粉質で煮くずれしやすいが、粉ふきいもに適します。栽培面積がもっとも多い人気の品種。関東では出荷の8割がこちらです。この今のホクホクした男爵いもがつくられるようになったのは明治なってから。
”男爵”とは実在の日本人、北海道の農場主、川田竜吉男爵です。アメリカから原種を取り寄せて試作したところ、病気に強く、たいへんな収穫だったそうです。この男爵は北海道で初めて自動車を乗り回した人物としても有名です。
【デジマ 】
黄色のややねっとりとしたいもで、初夏をつげる新じゃがとしては人気が高いです。長崎など西南の暖かい地方が生産地です。
【アイノアカ 】
淡い赤色の皮で、切ると中は淡い黄色。煮くずれしにくく、デジマよりやや柔らかで、口当たりがよいです。
【メイクイーン 】
煮くずれしにくい性質で、やや長めの品種。煮込み料理に最適。大阪以西で人気があり、関西ではデジマと合わせて出荷の7割がこの種類です。
ジャガイモ半分で、1日のビタミンB1量を補給!ビタミンCはリンゴの8倍!
新じゃがと新玉ねぎのジャーマンポテトは初夏の定番!ベーコンをアンチョビにかえてアンチョビポテトも美味
また、代謝をあげて糖質をエネルギーに変えるビタミンB1は1日の必要量を半個で摂取できます。
ドイツ人に壊血病が少ないのは、じゃがいもを主食としているからだと言われました。ビタミンが不足しがちな風土での生活の知恵です。
また、皮近くに栄養価がありますので、皮がうすく丸ごといただける新じゃがは、効率よくビタミンをとることができます。これは食べない手はありませんね!
海賊料理!? 子どものおやつにもお酒のおつまみにも 簡単で美味しい「じゃがいものパイユ」
ジャガイモのパイユ ベーコン帽のっけ パイユは藁という意味です
ただし、新じゃがの場合は、水分が多く意外に日持ちがしませんので、早めにお召し上がりください。
保存するなら、冷蔵庫に入れるとデンプン質が糖質に変わって味が落ちてしまうので、必ず常温で保存を。
なるべく新聞紙や紙袋にくるみ風通しのよいところが理想です。買ってきたら1週間~10日程度で食べきるようにしましょう。
今回は「じゃがいものパイユ」と和食の定番「新ジャガイモの煮っころがし」レシピを記載します。
じゃがいものパイユは、フランス料理の付け合わせですが、漫画ONE PIECEの話に登場しサンジ特製のメニューとして知られるようになりましたね。
【ジャガイモのパイユ】
<材料>
じゃがいも 3個
とろけるチーズ 50g
オリーブオイル 適量
パセリかバジル 適量
<作り方>
1 スライサーで薄くしさらに縦に細く切る
2 ボールにジャガイモをいれ、細かくきったチーズを混ぜる
3 適当な大きさにまとめ、薄く平らにし油で焼き揚げする
(バターやマーガリンを少し加えると香りが◎)
4 ひっくり返して両面カリッと焼きます
5 食前にバジルやパセリを散らし完成です
【新ジャガイモの煮っ転がし 甘辛バター醤油】3人分
<材料>
新じゃがいも 300g
バター 10g
◎醤油 大さじ1と1/2
◎砂糖 小さじ1
◎みりん 小さじ2
<作り方>
1 鍋にじゃが芋と水を入れ、中火~強火にかける。沸騰したら弱火にし、竹串がスーっと刺さるくらいまで茹でる(5~10分くらい)
2 じゃが芋を茹でている間に、◎の調味料を混ぜ合わせておく
3 じゃが芋が茹で上がったらザルに上げて湯を切る。
バター・じゃが芋・(2)で混ぜておいた調味料を鍋に入れて弱火にかける
4 極弱火にして鍋を揺すり、木べらやスプーンなどでじゃが芋を優しく転がしながらタレをからめて出来上がり
じゃがいもの花は貴婦人たちの間で大流行したってご存知でしたか?
くしゅっとした花びらがかわいらしいですね
そして、国王は王妃マリー・アントワネットにじゃがいもの花を身につけさせて夜会に臨ませました。きらめく夜会服と清楚な花の演出に、貴族たちは目をみはったことでしょうね!また、国王のいも畑に昼間は見張りを立て、夜は監視を解いて、”国王の作物”を盗みやすくしました。こうしてじゃがいもは短期間の間に庶民に広まりました。
じゃがいもの花にはオレンジ系がなく白やブルー系が多いです。ベニアカリは最近できた改良品種でめずらしく赤い花をつけます、一度みてみたいものです。原産地のアンデスの高地では、紫外線が強く、日本より鮮やかな色の花が咲くといわれています。
各地のじゃがいもに思いを馳せながら、この季節新じゃがの旬味を是非お楽しみください。