映画「天気の子」醍醐虎汰朗&森七菜が日本気象協会にやってきた~インタビューその1~
『天気の子』のアフレコについて語る森七菜さん(右)と醍醐虎汰朗さん(中)
声優初挑戦の2人に、新海監督は
奈良岡 『天気の子』で声優初挑戦となったわけですが、アフレコの現場で監督がどう接していったのか興味があります。
醍醐 新海監督は、森嶋帆高(もりしまほだか)と僕が似ていると言ってくれたんです。でも、僕はあんまり似てるところはないんじゃないかと思いますが……。
森 いや、私から見たら全体的に似てると思いますよ。アフレコをしているうちに、だんだん帆高の細かい表情が見えてくるようになって。最初は線だけの輪郭だったのに、帆高が醍醐君に見えてきたというか。
初めて声優を体験した2人。アフレコが進むうちにそれぞれのキャラクターに似てきたそう
森 私は新海監督に『天気みたいなところが似てるね』と。陽菜は笑っていると思ったら怒っていたり、泣いているかと思えば笑っていたりというところがあります。行動的のように見えて『やっぱりいいや』とすぐ止めてしまうとか。そういう気分屋のところは似ているんじゃないかって思います。
奈良岡 アフレコが進むにつれだんだんキャラクターになりきっていったんでしょうか。そういう点が、監督の手法なのかもしれませんね。
空を見上げて、気付かなかったことに気付くように
このアフレコをきっかけに、毎日の気象に興味を持ちはじめた醍醐さん
奈良岡 醍醐さんはこの映画に関わってから、天気についての見方が変わったということはありますか。
醍醐 ふだんから天気をあまり気にする方じゃありませんでした。雨の日は残念だなとか、晴れた日は暑いなぁとか、曇りの日は別に……という感じだったんです。でも、この映画を経験してから空を見上げることが多くなりましたね。
奈良岡 やはり空に関係のある内容だからですね。
醍醐 雲の間から太陽が動くのが見えたりとか、雨の日は水滴が空から落ちてくるのを見たりとか。アスファルトの水溜まりにポタポタ垂れている様子を、じっと見てたりもします。
奈良岡 今まで気付かなかったことを発見するようになったんですね。
醍醐 そうです。今まで僕って下を向いて歩いてたんだなと思って。意識的に上を見るようになりました。
スマホの中は雲の写真でいっぱい
スマホの中は雲の写真でいっぱいという、まさに天気の申し子の森さん
森 やっぱり私も空に注意を向けるようになりました。ふだんは大分から通っているんですが、飛行機に乗っているときに雲を突き抜ける瞬間を写真や動画に撮っています。だからスマートフォンのカメラロールは雲ばっかりになりました(笑)。
奈良岡 確かに、飛行機だと雲はたくさん見えますからね。予告映像にも空や雲の映像がいっぱい出てきて、とてもきれいだと思いました。この映画を観た皆さんも、空を見上げるようになってほしいと思います。
森 奈良岡さんが好きな空って、映画の中に出てきましたか。
奈良岡 私は、雲の切れ間から太陽の光がさっと差して地上に届く場面に見入ってしまいました。『天使のはしご』という、自分自身とっても好きな気象現象です。そうそう、雲に関しては今日別のコーナーでもう少し詳しく掘り下げますので、楽しみにしていてください。