7月10日に土星が「衝」に!土星の神秘を楽しむなら今が観測のチャンス!
美しい環が特徴の土星
実は、まもなくやってくる7月10日に、土星が「衝(しょう)」となり、見ごろを迎えます。衝になると、地球との距離が縮まるため、土星が明るく、見かけの直径も大きく見えます。土星と言えば「環」を思い浮かべる方も多いと思いますが、衝の状態は環が明るさを増すので、観望の好機ともいわれます。
この機会にぜひ、壮大な宇宙が織りなす、美しく神秘のときを体感してみてはいかがでしょう。
いつもより土星が近い!──そんな好機がやってくる。惑星が明るく見える「衝」
太陽系第6惑星である土星
衝とは、太陽 ─ 地球 ─ 惑星の順でほぼ直線に並ぶ瞬間のことを指します。衝になると地球と惑星の距離が近くなり、惑星が明るく、見かけの直径も大きく見えるという特徴があります。
そして、この夏の天体の動きとして、7月10日に土星が「衝(しょう)」を迎えます。
土星は地球の約9倍。太陽系のなかでは木星に次ぐ大きさの惑星。氷のつぶでできた環が特徴
土星といえば探査機「カッシーニ」。さまざまなデータをもたらした(画像はイメージ)
土星の直径は、実に地球の約9倍におよぶ大きな惑星です。地球の衛星が月ひとつであるのに対し、土星の衛星の数は63! また、地球の公転周期は約365日ですが、土星は約29年にもなります。その年月に壮大なスケールを感じますね。
そして土星の特徴といえば、やはり「環」でしょう。「環」は岩石や氷のつぶの集まりで、複数の細い環が集まってひとつの環のように見えています。
環と環の間に隙間が空いている部分があり、これを「カッシーニの空隙(くうげき)」と言います。この「環」は地球から見ると傾きが変わっていくため、15年に一度、地球から環が見えなくなるという現象も起きるんですね。
小さな望遠鏡でも土星の環の観測は可能。ぜひ「衝の」チャンスに天体観察を!
夏休み前の自由研究のテーマにも最適ですね!
国立天文台によると、土星は太陽が沈むころに東の空から昇り、太陽が昇るころに西の空へと沈んでいくので、ほぼ一晩中見られるとのこと。また、衝の前後も見ごろとなるので、星空指数をチェックして、観測計画を立ててみてはいかがでしょう。さらに、16日には月と土星が接近するのでこちらも要チェック! ぜひ、夏の夜空を楽しんでみてくださいね。