<気象予報士が振り返る「平成の災害」⑤>気象災害(平成元年-平成10年)PR

このうち平成元年~平成10年に発生した2つの気象災害について解説します。
【平成3年9月】平成3年台風19号

台風によって大量のりんごの落果したようす(写真提供:弘果弘前中央青果株式会社)
暴風により送電施設に被害が発生して広範囲で停電があったほか、塩風害により長期にわたる停電被害も発生しました。
農林業にも大きな被害を与え、西日本を中心に、塩風による果樹等の枯死、全国で森林の倒木などもありました。
この台風は「りんご台風」とも呼ばれ、青森県などでは収穫前のりんごの落果が多数発生し、被害金額は741億7千万円となりました。
このことを教訓に、暴風による落果や倒木の確率を軽減することを目的として、全国の果樹園で防風網の整備が進められました。
【平成5年6月~10月】平成5年夏の低温、多雨と日照不足

平成5年夏の気温・降水量・日照時間分布図(出典:気象庁ホームページ)
特に9月にかけては長雨と日照不足が重なり、農作物への影響が大きくなりました。
中でも水稲は、生育の遅れやいもち病の発生などにより、当時1000万トンの米の需要に対して収穫量が800万トンを下回りました。収穫高の程度を示す作況指数は74と、戦後最低の値を記録し、「著しい不良」となりました。
その年の米の在庫も23万トンしかなく、米の安定供給の確保という観点から、主食用及び加工用米について緊急輸入が行われました。
その後農林水産省では、米不足に備えた備蓄制度を設けました。