<2017年お天気総決算⑤>気象予報士による2017年各地方の天気解説PR
北から西へ津々浦々、各地方ごとにそれぞれの特徴がありました。
北海道地方の天気
住友 静恵
2月は記録的な少雪でしたが、3月は札幌で12年ぶりの大雪となり雪解けが遅れました。大型連休は花見日和の所が多くなりましたが、6月は週末の度に雨で運動会が順延した学校も。7月前半は道内で猛暑日を合計5日観測し、観測史上最多記録(※)に。街路樹が彩る10月下旬は台風から変わった低気圧が道東方面に大雪の置土産、札幌も初雪となりました。
(※北海道内における、7月前半までの猛暑日観測日数としての記録)
東北地方の天気
佐藤 理恵子
冬は暖冬、少雪。春も気温が高く、少雨。梅雨入りは遅く、空梅雨で7月までは厳しい暑さ。8月はやませの影響で太平洋側では不順な天候となり、仙台では降水日数の連続記録が36日間で夏の記録としては1位を更新し、東北北部、南部ともに8年ぶりに梅雨明けが特定されませんでした。また、秋は台風18号と21号による大雨がありました。
関東甲信地方の天気
中川 裕美子
暖かいお正月で始まった関東甲信の2017年は、晴天が続く時期に日差しに恵まれませんでした。8月の東京都心の日照時間は平年の半分程度と、太陽まで夏休み。ドンヨリ続きの夏らしくない夏でした。行楽シーズンの10月もさわやかな秋晴れは少なく、雨で肌寒い日の連続。四季のメリハリがあまりなく、何だかノッペリした年でした。
東海地方の天気
奥平 雄太
東海地方では、特徴的な現象が多く発生した一年でした。1月16日には三重県いなべ市で55センチの積雪を記録し、三重県では1995年以来の大雪になりました。また、8月には台風5号の接近に伴い愛知県豊橋市で竜巻が発生し、建物や自動車などへの被害が発生しました。
北陸地方の天気
瀬山 滋
今年は暖冬でしたが、2月は福井県嶺南で記録的な大雪となった日があり、小浜では最深積雪80センチを観測しました。夏から秋は降水量が多く、台風5号、18号が富山県を通過しましたが、東風が立山連峰に遮られ、富山県内は特に強風になりませんでした。一方、台風21号は東海から関東を進み、富山湾から吹き込む北東の暴風となりました。
近畿地方の天気
櫻井 雪彦
冬は寒暖差が大きく、寒波のあった1月15日は太平洋側でも大雪になり、京都市で14センチの積雪となりました。春から夏は晴れた日が多く、平年より短い梅雨の後、夏は暑くなりました。秋は台風や前線の影響で雨が多く、10月の降水量は平年比386%で1946年の統計開始以降、最多となりました
中国地方の天気
筒井 幸雄
今年の冬は山陰で雪の降る日が多く、1月には広島市でも19センチと記録的な大雪が降りました。春の訪れは順調で、入学式のころには山陽、山陰ともにソメイヨシノが満開を迎えました。梅雨の期間は平年より短く、夏は晴れて暑い日が多くなりました。秋は前線や台風の影響で雨の日が多く、なかなか秋晴れには恵まれませんでした。
四国地方の天気
川越 絵里子
春の出足は鈍く、桜の開花は各地ともここ10年で最も遅く(※)なりました。その後季節はペースをあげて進み、5月から半袖が活躍し、今夏も平年を上回る暑い夏となりました。9月以降は相次ぐ台風や、秋雨前線による長雨に悩まされ、秋を満喫する間もなく、その後季節の歩みは加速し、11月には冬の足音が聞こえだしました。
(※松山・高松は、ここ10年としては2012年とタイ記録)
九州地方の天気
松井 渉
九州は大雨災害が相次いだ年でした。7月5日から6日には福岡県朝倉市や東峰村、大分県日田市を中心とする地域で「九州北部豪雨」が発生。猛烈な雨が長時間降り続き、大規模な土砂災害が相次ぎました。9月17日には、台風18号により大分県佐伯市や津久見市で猛烈な雨が降り、浸水や土砂災害の被害が出ました。