日本人が愛する 「ヒノキ風呂」。ヒノキが長持ちするのは、その、“いい香り” のおかげ !?
ヒノキ風呂はいい香り!!
ヒノキにはリラックスを促す香り成分が豊富 !! 森林浴をしているような作用。
ヒノキの林で森林浴。
ラットの実験では、木の香り成分をかぐと、ラットのストレスによる発汗が抑えられ、脈拍数が安定するので、安眠が得られます。そのため、睡眠時の脳のα波が20~30%も増えるそうです。
ヒノキのお風呂にゆったりつかるとリラックスが促され、安眠が得られるというのは、ヒノキに含まれる香り成分が働くからなのです。ヒノキのなかでも、特に木曽ヒノキには香り成分が多く含まれるので、高級浴槽に使われます。
ヒノキの香りは単にいい香りなだけではなく、その香りにはすばらしい効果があるのですね。
抗菌・防虫 !! 消臭・脱臭 !! 実用面でも有効なヒノキの香り。
たとえば、抗菌作用。よく、お刺身の下に葉が敷かれていることがありますが、あれはヒノキやサワラの葉です。葉にはカビや細菌の繁殖を抑えるほか、抗酸化作用があるので、食品が腐るのを防いでくれるのです。この効能はもちろん、ヒノキの木材にもいえます。特にヒノキは抗菌だけでなく、防アリ、防ダニの効果も強いので、お風呂の木材に向いているといえます。
また、消臭効果が強いのも特長です。ヒノキの木材そのものも消臭されるだけでなく、ヒノキ風呂に入った人の体臭や汗の匂いも消してくれます。
ヒノキのウッディーでさわやかな香りは主に、アルファ・ピネン、ボルネオール、ヒノキオールなどの成分によるものです。これらの香りは人間にとっては森林浴を感じさせる“いい香り”なのですが、ダニやアリにとってはとても嫌な香りだといわれています。人間にはいい香り、でも、虫にとっては嫌な香り。ヒノキの香りに、いろいろな効果が隠されていたとは、驚きですね。
法隆寺の柱のヒノキは、1300年の時を過ぎても、なお健在 !! 抗菌作用の長~い効き目 !!
柱にヒノキが使われている法隆寺。
昭和の初期に法隆寺の大修理が行われた時、1300年以上も経った柱の表面をほんの少し削ると、ヒノキの香りがしたという話は有名です。もし、法隆寺にケヤキやマツが使われていたら600年、スギなら900年前後しかもたなかったといわれています。抗菌作用にすぐれたヒノキだからこそ、1300年以上もの長い間、朽ち果てることなく奈良の都の建物を支え続けることができたのです。
消臭剤、入浴剤、猫砂、オモチャ…。ヒノキの香りを利用した商品が続々登場 !!
ヒノキのボールのオモチャ。いい香り!!
ヒノキそのものを使ったオモチャも好評です。積み木やままごとセット、幼児用のイスとテーブルのセットなど、さまざまな幼児グッズがあります。ヒノキはお風呂に使われるくらい水にも強いので、お風呂で遊べるオモチャも出ています。また、匂いが気になる猫砂ですが、ヒノキのチップを利用したものもあります。
ほかにも、ヒノキの精油を配合したハンドクリームや、繊維に香りをつけた衣類、ハンカチ、寝具、カーテンなども人気です。
ヒノキの精油は、バラやジャスミンに比べると、国産のものでも安価なので、手軽に使うことができます。スプレーボトルに水とヒノキの精油を入れてスプレーを作ったり、自宅のお風呂に精油を直接入れて、ヒノキの香りを楽しむこともできます。
湿度の高い日本で、1300年もの間、朽ちることなく法隆寺を支えて続けてきたヒノキ。その性質を知れば知るほど、お風呂に使われる理由がよくわかります。11月に入り、お風呂が恋しくなる季節になってきました。昔から日本人に愛されてきたヒノキのお風呂に入って、心も体もリラックスしてたいものです。