空の旅 行きと帰りでかかる時間が違う理由は? 秘密は「偏西風」にあった
偏西風に乗って飛べば1時間半も早く到着地に?
巡行中の飛行機はこの偏西風が卓越する高度帯を飛行するため、偏西風の影響を大きく受けます。飛行機の離着陸時は揚力を獲得しやすい向かい風が有利ですが、巡行中は追い風が有利でより早く目的地に到着することが出来ます。
例えば、羽田-那覇では西に向かって飛ぶため飛行機が偏西風に押し戻されながら飛ぶことになりますが、那覇-羽田では偏西風が追い風となります。この結果、夏では東行きの方が10分ほど早く目的地に着きます。
長時間飛行する国際線だとより顕著になり、羽田-ホノルル(ハワイ)間だと東行の方が1時間30分ほど早くなります。
日本付近の偏西風は冬季に強くなる
このため、航空会社の時刻表には夏ダイヤと冬ダイヤが存在しており、同じ路線でも夏と冬で飛行時間が変わります。
ダイヤの時間はどこからどこの時間か
ダイヤに設定されている時間は出発地の駐機場を出発してから、到着地の駐機場に止まるまでの時間を表しています。このため、地上での走行時間と飛行時間を足したものがダイヤに設定されている時間となります。
上空の風の強さや航路上の天気によって飛行時間が異なるのは想像しやすいですが、地上走行時間も空港の混雑度や使用する滑走路によって変化します。
まとめ
この先、旅行のご予定がある方は、旅行先についてだけでなく、旅行にかかる移動についても、ご家族やお子さんとお話してみるのはいかがでしょうか。飛行時間や巡行高度から偏西風の力を感じられるかもしれません。
<参考文献・サイト>
・『飛行機ダイヤのしくみ(改訂版) 交通ブックス310』
・羽田空港のこれから(国土交通省)