初春は第二候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」となりました
春の訪れは「霞」から!
「ひばり上る春へとさやになりぬれば都も見えずかすみたなびく」
春の到来は耳には鳥の啼き声が知らせますが、大地から湧き上がる霞は大気の動きを実感させます。現れる時間や状態によって呼び名も朝霞、夕霞、霞の海、八重霞、遠霞と表情は豊かに形容されています。ところが夜になると霞とはいわずに「朧(おぼろ)」となります。「朧月」が思い浮かびます。先日の19日から20日にかけての満月は今年最大ということで話題になりました。夜空のスーパームーンはくっきりと美しい姿でしたが、沈む頃は朝焼のなかに霞がかかり幻想的でした。しっとりとした霞は肌へもやさしく春を告げてくれているようです。
春をのんきに楽しむ鳥は? 「雲雀(ひばり)」です!
「永き日も囀りたらぬひばりかな」
雲雀は別名「楽天」といわれるのをご存じでしょうか? 天から与えられたものを受け入れて人生を楽観することが「楽天」と辞書にありましたが、決して雲雀はのんきではなさそうですね。鳴きながら空高く舞う雲雀の姿を「揚げ雲雀」といいますが、いかにも春を満喫しているかのように感じませんか。春の空は時間や天気の移り変わりによって、見せる表情は変化に富んでいますよ。
日本の真ん中にも「霞」がありました
歌川国芳「東都名所 霞が関」
でも、ほんの150年くらい前はこんな風に浮世絵に描かれていたんですよ! なんとものどやかな風情ではありませんか。江戸時代の霞が関は大名屋敷が建ち並んでたとのこと。こんな霞が関も歩いてみたかったですね。