春に可憐に咲いた白い花が実を結び黄色く熟す頃になりました
長い雨の時期の明るい存在!「熟した梅」
熟した黄色い梅は酸味も和らぎ皮をむけばそのまま食べても美味しいものです。梅の皮をむいて壜に入れ、そこに砂糖をたっぷりかけておけばいつの間にかシロップが溢れるほどあがってきます。シロップを別にして残りの実に砂糖を足して煮込めば梅ジャムに。皮をむくのが少し手間ですが、他は手間いらずでシロップとジャムができる簡単レシピです。梅酒と違いアルコールのないシロップは、ソーダで割ったり氷水で薄めたりと、汗の季節にはごくごく飲める爽やか飲料になりますよ。ハチミツで作るシロップも健康によさそうですね。
雨の中で艶やかさを発揮するのは「花の色」
5月に咲き始めた薔薇は6月に最盛期を迎え、雨の中でもきれいな花を咲かせます。ローズウォーターやエッセンシャルオイルを取り出すバラは、朝露に濡れた早朝からが摘み時とか。
「急坂になりて抱きし薔薇香る」 大高 翔
雨の中で甘い香りを放って咲いているのはくちなしです。くちなしの実は熟しても割れないことから「口無し」とついたそうです。純白にひらく花から香る清らかな匂いは、湿気を含んだ大気のなかにしっかりと広がります。
「薄月夜花くちなしの匂ひけり」 正岡子規
くちなしの実は染料として食品にも使われています。きんとんのサツマイモや栗が鮮やかな黄色に仕上がっているのは、くちなしの実が使われているからなんです。花の命はじつは計り知れないものなんですね。
じめじめとして鬱陶しいこの季節ですが、見まわしてみれば雨ゆえに美しく感じられるものもたくさんあるなんて、嬉しいですね。