「ZTF彗星」が見頃です。冬の一等星や火星に接近するタイミングが観測のチャンス!
一年でいちばん小さく見える満月や、夕方の西の空に並んで輝く金星と木星に細い月が接近する光景も見逃せません。
今回は、2月に注目したい星空情報をご紹介します。
【2月5~15日】ZTF彗星が冬の一等星、火星に次々と接近
画像:国立天文台
ZTF彗星は星空を移動しながら、明るい一等星や惑星に次々と接近します。2月5日から6日にはぎょしゃ座のカペラ、2月11日には火星、2月14日から15日にはおうし座のアルデバランの近くに姿が見えます。明るい星を目印にして、彗星を探してみましょう。
ZTF彗星が前回太陽に近付いたのは、約5万年前。現在の彗星の軌道から計算すると、今後は太陽系から遠ざかって再び帰ってくることはないと考えられています。ZTF彗星を目にするチャンスは、今回が最初で最後ということになるのですね。
参考・参照
(速報)ZTF彗星が地球に接近(2023年1月・2月)
【2月6日】1年のうちで地球から最も遠い、最小の満月
画像:国立天文台
1年のうちで地球と月が最も近くなる満月を「スーパームーン」、最も遠い満月を「ミニマムムーン」と呼ぶことがあります。2月6日の満月は、2023年で地球から最も遠い満月。逆に、最も近い満月は8月31日になります。今回の満月は、8月31日の満月に比べて視直径が約12パーセント小さくなります。
2月の満月の別名は「スノームーン」。名称の由来は、アメリカ先住民のネイティブアメリカンによるものといわれています。寒さが厳しく、雪が多く積もる季節を表した満月の呼び名からは、月の満ち欠けに基づいて生活していた人々の、自然への眼差しが感じられます。
【2月22・23日】幻想的な細い月が、金星と木星に接近
画像:国立天文台
うっすらと地球照を伴った幻想的な月と宵の明星の共演は、ひときわ美しい光景です。日没後、薄暗くなった頃に西の方角が開けた場所から観察してみましょう。
月と金星の上方には木星の姿があり、翌23日に月は木星に接近します。2夜に渡る、繊細な美しさの月と明るく輝く2惑星の共演を楽しみたいですね。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年2月)」