火星が見頃!12月の最接近に向けて、ひときわ目をひく輝きに
今回は、火星を中心とした星空の見所と、「逆行」「留」といった惑星の動きについてご紹介します。
火星と冬の一等星の共演に注目!木星と土星も観測の好機
画像:アストロアーツ
2022年12月1日の地球最接近の頃にはマイナス1.9等級に達し、オリオン座やおおいぬ座といった冬を代表する星座と供に真夜中の東の空で輝きます。火星と、冬の一等星アルデバランとベテルギウス。3つの赤い星の共演にも注目してみましょう。
晩秋から初冬にかけては、火星に加えて木星と土星も美しい時。3惑星を観測する好機となります。
順行と逆行を繰り返しながら、星座を移動する惑星
画像:国立天文台
外惑星の公転周期は地球よりも長いため、地球が太陽の周りを1周する間に外惑星に追いつき、「衝」の時に追い抜く現象がおこります。この時、西から東への「順行」から、反対方向の東から西へ動くように見えます。これが外惑星の「逆行」です。
「留(りゅう)」とは、順行と逆行の向きが入れ替わる瞬間をあらわし、「留」の頃には星空の中で惑星の動きが止まっているように見えます。今シーズンの火星は、10月30日に「留」を迎えます。
十二宮を巡る火星。「おひつじ座」から「おうし座」「ふたご座」へ
画像:国立天文台
その後は、2023年1月13日に再び「留」となり、逆行から順行へと変わります。3月下旬には、7か月半に渡って滞在した「おうし座」を去り、「ふたご座」の領域へと移動します。
火星が順行から逆行、再び順行へと変化して見えるのは、地球と火星が共に太陽の周りを公転している証といえます。「惑う」ような動きで星座を巡る「惑星」。太陽系の惑星の壮大な動きをイメージしながら、火星の運行を観察してみてはいかがでしょうか。
参考サイト
アストロアーツ「火星」
国立天文台「ほしぞら情報2022」