木星が美しい時。土星、フォーマルハウトと秋の空に輝く
今回は、占星術で「幸運の星」といわれる木星についてご紹介します。
観察シーズンが到来!金色の輝きを楽しみましょう
画像:国立天文台
衝の頃の木星は約マイナス3等まで輝きが増し、明るい星の少ない秋の星空ではひときわ目を引く存在感。今月から2023年1月頃までが観測しやすい時期となります。金色に輝く美しい木星の姿に注目してみましょう。
2023年3月下旬以降は太陽に近付いて見えにくくなり、4月中旬に太陽と同じ方向になる「合」を迎えて見えなくなります。木星が再び姿を現すのは5月中旬頃で、明け方の東の空に輝きます。
自転速度が約10時間!猛スピードの回転が生んだ縞模様
画像:国立天文台
特徴的な表面の模様は、アンモニアなどの厚い雲。木星の自転速度は約10時間で、太陽系の惑星のなかで最速です。非常に速いスピードで自転しているため、東西方向に強く風が流れます。この方向に雲が並ぶため、鮮やかな縞(しま)模様が見られるのです。
白く見える明るい部分(帯)は上昇気流でできた高い雲、暗い部分(縞)は下降気流による低い雲と考えられています。そのなかに見える大赤斑や白斑は、巨大な嵐の渦。金色に見える優美な姿の表面は、過酷な気流による雲と嵐に覆われているのですね。
12年で天球を1周する「幸運の星」。今回の最接近は21世紀中で最大
地球に近い位置にある火星の最接近は、明るさに変化があります。一方、木星の最接近は見え方に大きな変化はありませんが、12年のうちで最大の木星であることを意識して眺めるのも一興かもしれません。
地球から見ると、木星は黄道12星座をほぼ1年ごとに1つずつ巡っていくように見えます。うお座と牡羊座を行き来していた木星は、12月下旬に牡羊座に移動します。占星術では「幸運の星」といわれる木星。秋から冬にかけて、見頃を迎えた華やかな輝きを楽しみましょう。
・参考サイト
アストロアーツ「木星とガリレオ衛星」
国立天文台「ほしぞら情報」