アメリカの国民的ドリンク「ホットアップルサイダー」にまつわるストーリー
スパイスもたっぷり。ホットアップルサイダー
国によって違う!「サイダー」ってどんな飲みもの?
リンゴの発泡酒「シードル」
一方で、アメリカやカナダにおけるサイダーは、お酒ではなく「リンゴ果汁」を指します。ペンシルベニア州の州法では、アップルサイダーとは「リンゴから絞った、琥珀色、不透明、未発酵のアルコール分を全く含まないジュース」と規定されているとか。お酒か果汁かの違いはあっても、サイダーと呼ばれるものは「リンゴ」が原料となる点は共通しています。
アメリカの寒い季節に欠かせない飲みものである「ホットアップルサイダー」。温かいリンゴのサイダー(=)温かいリンゴジュースだったのですね。からだが温まる香辛料を加えたスパイシーなレシピが人気です。
アメリカの聖人「ジョニー・アップルシード」の物語
『ジョニー・アップルシード―りんごの木を植えた男』アーバンコミュニケーション 1992
この「ジョニー・アップルシード」と呼ばれる聖人は実在の人物。本名ジョン・チャップマン(1774年9月26日〜1845年3月18日)はマサチューセッツ州で誕生し、ペンシルベニア州、オハイオ州、インディアナ州、イリノイ州、ケンタッキー州へと、彼のリンゴの種を植える聖なる行為は広がっていきます。リンゴの種にちなんで、人々は彼をAppleseed(リンゴの種)と呼ぶようになりました。
ジョニー・アップルシードの忌日として広まった3月11日、誕生日の9月26日は「ジョニー・アップルシードの日」として、アメリカの記念日となっています。また、リンゴの収穫時期には、「ジョニー・アップルシード祭り」が開催され、アップルパイやアップルサイダーなどが振舞われるとか。アメリカでは、リンゴは開拓時代を通して人々を支えてきた特別な果物なのですね。
クリスマスにもおすすめ!自家製ホットアップルサイダー
作りやすい分量でのレシピをご紹介します。
【ホットアップルサイダー レシピ】
・クローブ 10粒
・オールスパイス 10粒
・シナモンスティック 2本
・ジュニパーベリー 6粒
・リンゴジュース(ストレートタイプ)1リットル
・オレンジの皮 1個分
・砂糖 適宜
〈作り方〉
1. スパイス類を鍋に入れ、から煎りして香りを出したら、リンゴジュースとオレンジの皮を加え、弱火で30〜40分煮る。味をみて、好みで砂糖を足したら、ざるにさらしを敷いて漉し、保存瓶などに入れる。
※オレンジの皮は、塩(分量外)で磨くようにして水で洗い流し、ワックスをよくとってから使うとよい。
2. 1を適温に温めてから、カップに注ぐ。
参考文献(レシピ)
坂田 阿希子、伊藤 まさこ、仁平 綾 『ニューヨークレシピブック NEW YORK RECIPE BOOK』 誠文堂新光社 2015