春といえば、鶯?桜?それとも団子?春の和菓子を楽しもう
みなさんは、春の和菓子と聞いて何を思い浮かべますか?今回は、春に食べたいお菓子と、花見の歴史についてご紹介します。
春を告げる鳥、鶯
うぐいす餅のはじまりは、豊臣秀吉・秀長兄弟がきっかけだと言われています。1580年代、豊臣秀長は兄の秀吉を茶会に招こうとしました。その際秀長は、現在の本家菊屋の祖である菊屋治兵衛(きくやじへい)に、「珍菓をつくれ」と命じます。菓子作りを命じられた菊屋治兵衛が献上したのは、餡を包んだ餅の上にきな粉をまぶしたお菓子。秀吉はそれをとても気に入り、そのお菓子にうぐいす餅という名前をつけたのだそうです。
鶯は「春告鳥(はるつげどり)」という別名があるように、日本で暮らす私たちに春の訪れを知らせてくれます。鶯の鳴き声に耳を傾けながら、うぐいす餅を食べるのもいいかもしれませんね。
葉まで美味しい桜餅
桜餅のはじまりは、江戸時代に長命寺の門番をしていた山本新六という人物がきっかけだと言われています。長命寺がある墨堤通りは、昔から桜の名所とされており、新六は毎年春になると桜の葉の掃除に悩まされていました。新六はその桜の葉をなんとか利用できないかと考えます。そして発案されたお菓子が、私たちがよく知る桜餅のはじまりだそうです。
桜の開花がはじまる3月頃になると、和菓子屋さんには鮮やかな色の桜餅が並び始めます。きれいな桜を楽しみながら、美味しい桜餅で春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。
花より団子?花見とお菓子の関係は?
安土桃山時代の武将として有名な豊臣秀吉は、聚楽第行幸(じゅらくだいぎょうこう)や北野大茶会などの大きなイベントを次々と開催させたことでも有名です。そんな豊臣秀吉は、晩年に醍醐の花見という大規模なお花見を開催しました。そこに招かれたのは、なんと1,300人!この花見のために植えられた桜は、なんと700本!すごい力の入りようですよね。お花見で桜を楽しむのはもちろんですが、秀吉は各地から集めた銘菓を人々に振る舞い、それとともに桜を楽しんだそうです。
この大規模なお花見をきっかけに、江戸時代中頃になるとお花見文化が一般に広まり、さらには「お花見にお菓子」というのが定着したと言われています。
今年のお花見は、お気に入りのお菓子を持ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。