ただいま仕込み時「チューリップ」。こんなよもやま話ご存知ですか?
春を彩る赤や黄色、ピンク、白色などの明るく優しい色の花として、童謡やお絵描きでも子どもの頃から慣れ親しみ、長く人々に愛されてきたチューリップ。春とは全く正反対の季節の秋、只今この季節に球根を植え3月下旬~5月上旬の開花期までじっくりと乾燥させないように育ててゆきます。芽は1月頃にようやくでてきて春を共に待ちます。本日はそんなチューリップのよもやま話を見ていきましょう。
30億円の風景⁉日本でのチューリップの歴史
八重咲き チューリップ
明治に移り、西洋ブームの中で、チューリップは毎年輸入されるようになりました。カタログをみて球根を購入するカタログ通販のしくみはこの頃から始まっています。日本での研究は続いていたもののその後もチューリップの球根は、引き続き輸入に頼っていたため、大正時代の球根の価格は、現在の価値で1球2,000~3,000円と非常に高価なものでした。
1,000球程度の小さな花壇を作るのに300万円、富山県砺波市の「となみチューリップフェア」の100万球規模の花壇となれば、なんと30億円近い金額となります。
日本で生産が軌道に乗った大正時代のチューリップ畑は、西洋の珍しい花が咲く特別な場所であり、限られた期間だけに現れる夢の風景でした。チューリップの球根は、現在約3億球が国内に流通し、そのうち約4,000万球が新潟県、5,000万球が富山県で生産されています。2億球はオランダからの輸入です。これは昭和末から球根の輸入に必要な病害虫を防ぐための隔離栽培がオランダ産の球根に限って免除されたためです。
参照:
サカタのタネ園芸通信「明治から平成を彩る1目30億円のチューリップ」
秋とは正反対の季節に咲くチューリップ、秋の神ベルツーヌを恐れた美少女の話
フリンジ咲き チューリップ
また、オランダには、同じく美少女の話が伝えられています。一人の美少女が3人の騎士から求婚され、一人は家宝の王冠を、一人は家宝の剣を、一人は黄金をプレゼントしました。誰も選ぶことができなかった少女は、花の神フローラに頼み、花の姿に変えてもらったといいます。花は王冠を表し、葉は剣を、そして球根の部分が黄金を象徴していると言われています。花言葉に、「思いやり」「博愛」という言葉が登場するのは、このような伝説も関係していそうです。
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一重咲き チューリップ(スプリンググリーン)
ユリ咲き チューリップ(バレリーナ)