新年から「マインドフルネス」! 生活の中の瞑想で集中できる脳になる
目の前のことに集中しやすい脳に
オックスフォード大学などアメリカの多くの心理学教室にはマインドフルネスセンターがあり、うつ病などの精神症状や慢性的な痛みに悩む人の医学的な治療に大きな成果をあげています。
欧米では、仕事上のストレス対策として社員研修のメニューに取り入れる企業が増えているそうです。
「瞑想」というと、特別な人が悟りをひらくためにするイメージがありますが、じつは誰でも無意識のうちに瞑想状態になっているといいます。音楽に身をまかせてまどろんだり気持ちよくゆったり踊っている時などの、完全にリラックスしつつも意識ははっきりしている状態。そんな時は、たしかに気持ちがポジティブになり、疲れもスッキリとれてその後の作業効率が大幅にアップしますよね。
ひとつのことに集中する訓練で、瞑想状態をつくれるようになるそうです。
アスリートに瞑想する人が多いことはよく知られていますが、集中力を高め緊張や不安をコントロールできる選手は本番に強いのです。仕事や勉強においても、目の前のことに集中しやすい脳は「集中」と「リラックス」をコントロールできるので、効率よく成果を上げることができます。重要な会議や試験で存分に実力を発揮できるというわけですね。しかもストレスに強く、前向きで柔軟な発想ができるように! お寺の座禅教室にはそんな効果を期待するビジネスマンの姿も多く見られます。
「今・ここ」を、100パーセント味わうには
楽な姿勢で座り、目を閉じて自分の呼吸だけを意識します。これが思いの外難しく「何も考えないでいよう」と思うと、逆にいろいろ考えてしまいます。誰かの言動とかこの後の段取りとか・・・。それを無理に遮ろうとしないで、何も判断を加えずそのまま受け入れます。やがて、心を疲れさせる雑音などに影響されることなく「今起こっていることをきちんと感じ取る」ことができるようになるそうです。
アメリカやフランスを中心に『マインドフルネス』の普及活動をおこなっている禅僧のティク・ナット・ハンさんは、グーグルやインテルの社員研修で「日常の全ての行為の中で瞑想はできる」と話されています。たとえば、車から駐車場まで歩く、通勤電車の中で立つ、お風呂に入る、料理する、食べる等々。今ここでしている行為だけに集中するのです。「歩いています、右足左足右足、」「立っています、背中を伸ばしています、ちょっと眠いです」のように心の中で全てを実況中継すると、瞬間ごとの自分の状態が自覚しやすいようです。その時起こっていることが感じ取れるようになると、歩き慣れたその時間に今まで気がつかなかった、鳥の声や道端の花などの小さな発見が満ち満ちてくるといいます。情報量を増やすための「ながらスマホ」は、逆に多くのフレッシュ情報を奪っているのかもしれませんね。
研修のランチでは、IT企業の社員が誰も携帯電話や書類を持たずにただ食事するという、普段では考えられない光景が。そして「いつもよりずっと食事に満足感が得られた」と言う人が多かったのです。
幸せ感は満足度の高さで決まる
たとえば2泊3日の旅行を後から振り返って「あまり印象に残るようなことはなかった」と思うより「すごくいい旅だった、思い出してもワクワクする」と思いたいですね。今年の旅は、目の前の景色やお料理に心の全てをあずけて味わってみませんか。一冊の本、友人との会話・・・その瞬間を100パーセント味わう生活を1日ずつ積み重ねたら、人生の満足度も大きく変わってきそうですね。
集中するときに時間を共にしている人や物にニッコリ微笑みかけると、幸せ指数がさらにアップするそうですよ!