急な雨でも大丈夫!傘をシェアするサービスとは?

自動車や自転車のシェアリングサービスは普及してきましたが、傘にも同じようなサービスがあるのです。それが傘シェアリングサービス「アイカサ」です。
どのように傘をシェアするのか、実際に体験して、「アイカサ」を展開する株式会社Nature Innovation Group代表取締役の丸川照司氏にお話を伺いましたので、詳しくご紹介したいと思います。
降水確率50%以上でも傘を持たない?

あるアンケート調査で「降水確率何%で傘を持って出かけますか?」という項目がありました。傘を持って出かける人は、降水確率が50%以上で全体の57.6%と、半数を少し上回るくらいだということが分かります。
新発想!傘シェアリングサービス「アイカサ」

思った以上に簡単、「アイカサ」を使ってみた!


カラフルな色合いにtenki.jpのロゴが入った傘。強風にも耐えられそうな丈夫なものです。傘には不正利用を防ぐ特殊ダイヤルロックがついています。
傘についているQRコードをスキャンして、スマートフォンに表示された暗証番号でロックを解除すると傘を借りることができます。

これなら、電車内に濡れた傘を持ち込むことはありません。
思った以上に簡単でした!
アイカサ代表取締役・丸川氏へインタビュー。傘を「買う」ではなく「借りる」という認識を広めたい

久保:昨年12月3日から正式にサービスが始まりましたが、現在の登録者数はどのくらいですか?
丸川氏:6500人です。雨の日は1日で約100人の登録もあります。
久保:私は職業柄いつも折りたたみの傘を持っていますが(笑)、急な雨に便利な、傘を借りる「傘のシェア」という発想はいつ生まれたのでしょうか。
丸川氏:例えば車については、目的地に行くための手段として必要な時に使用するものと考えています。同じ考え方で、傘も濡れないための手段として必要な時だけ使用します。カーシェアリングに衝撃を受けて、傘を買うのではなく借りるというシステムを作りたいと思ったのがきっかけです。
久保:私も気象に関わる者として、環境問題にも強い関心を持っていますが、ビニール傘の消費量を減らすことは二酸化炭素の排出量の削減につながりますね。今後も環境問題について何か取り組みを考えていらっしゃいますか?
丸川氏:1本の傘をたくさんの人とシェアして使用することで、ビニール傘を新たに購入する必要がなくなり、廃棄される量を削減することができます。また、ビニール傘の約99%は海外から輸入しており、製造や輸送などを考えても、このサービスを広めることで環境問題に貢献できると思っています。

丸川氏:旅行中はできる限り荷物を減らしたいですが、急な雨では傘を購入せざるを得ないですよね。ただ、外国人はエコに関する意識が高く、無駄な物を買ったという罪悪感にかられる方もいるそうです。一時的に傘を借りるサービスによって、旅行を楽しんでいただければ嬉しく思います。今後、順次、外国人の方にも使いやすいような仕様にしていく予定です。
久保:現在、アイカサのシェアスポットは渋谷を中心に約100箇所ありますが、今後、増やす予定はありますか?
丸川氏:新宿や恵比寿、八丁堀など、さらに拡大する予定です。また、観光協会の方に協力していただき、観光地への設置を考えています。関東近郊では川越などもありますし、将来的には京都や大阪などにも広げたいと思っています。

丸川氏:傘をシェアするという認識を広めていきたいですね。利用する方に雨の日の外出を楽しんでいただきたいので、シェアスポットとして提携している店舗の商品をお得に購入できるとか、利用状況に応じてプレゼントがもらえるなどの特典を考えています。また、提携店舗の認知度を上げることで、利用者だけでなく提携店舗にもメリットになるようにしたいと思っています。他にも、観光地では外国人に人気の和傘にするなど、たくさんの方に傘を持つことを楽しんでいただけるような提案を続けていきたいです。
久保:シェアリングという考え方は、便利なだけでなく、環境問題も考慮した循環型社会に貢献する取り組みだということがよく分かりました。ありがとうございました。
tenki.jpアプリで毎日天気予報を確認していただき、急な雨が予想される時は、傘シェアリングサービス「アイカサ」を利用してみてはいかがですか?雨の日のお出かけも快適に過ごせそうですね。
※記事修正を行いました。(2019年4月26日)