見逃せない!鉅鹿遺跡発見100年「磁州窯と宋のやきもの」展で白黒つけるぜ!
「白地黒掻落牡丹文如意頭形枕」磁州窯 北宋時代(12世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵
2020年は「鉅鹿」発見から100年
「黒釉線彫蓮唐草文瓶」 磁州窯系 金~元時代(13~14世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】
磁州窯と磁州窯系の違いとは?
「三彩白地搔落束蓮文枕」磁州窯系 金時代(12〜13世紀) 静嘉堂文庫美術館所蔵
「磁州窯」…磁州窯で焼かれたと分かっているもの。
「磁州窯系」 …磁州窯で焼かれた作品と同様の技法を用いているが、窯の特定ができないもの。または近隣の窯で焼かれたもの。
ちょうど放送中のNHKの朝ドラ「スカーレット」でも、土によってやきものが変化することが表現されていますが、やきものに欠かせないのは、「良い土と良い水である」と、言われています。窯のある場所によって作風が変わるということですね。磁州窯のやきものの再発見から100年の間、多くの研究者がこれは磁州窯、こちらは磁州窯系…と一つひとつ吟味して保存してきた姿が浮かびます。それを今、間近に見ることができるのは奇跡のようですね。
見逃したくない、同時代の美
「白磁刻花蓮花文輪花鉢」定窯 北宋〜金時代(11〜12世紀) 重要文化財 静嘉堂文庫美術館所蔵
まずは、青磁と並んで宋磁を代表する白磁の名品、重要文化財「白磁刻花蓮花文輪花鉢」です。こちらは定窯で焼かれた作品です。
定窯は白磁の名産地であり、その特徴は柔らかく温かみのあるアイボリーホワイトの釉色と、薄い器に片切り彫りで刻まれた流麗な文様です。こちらは縁起が良く好まれた蓮の花をモチーフにし、清らかな白と優しい輪郭により、まるで観音さまの手のひらのような豊かさを感じる作品です。本作は茶の湯の水指として、加賀藩主前田家に伝わった品です。ぜひ、この繊細にして優しい器に癒されてください。
「青磁鼎形香炉」 南宋官窯 南宋時代(12〜13世紀) 静嘉堂文庫美術館所蔵
概要 他
【概要】
―「鉅鹿」発見100年― 磁州窯と宋のやきもの
会期:2020年1月18日(土)~3月15日(日)
[休館日:毎週月曜日(ただし、2月24日は開館)、2月25日(火)]
開館時間:午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
会場:静嘉堂文庫美術館 SEIKADO BUNKO ART MUSEUM
(〒157-0076 東京都世田谷区岡本2-23-1)
入館料:一般1,000円、大高生・高校生および障害者手帳をお持ちの方(同伴者1名含む)700円、中学生以下無料 ※20名以上の団体は200円割引
問い合せ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
<イベント情報>
・講演会「磁州窯と磁州窯系諸窯、そしてその影響の軌跡」
講師:守屋雅史氏(神戸松蔭女子学院大学教授)
2月22日(土)午後1時30分開演 定員120名
※当日開館時より整理券配布(1名様につき1枚)
・静嘉堂コンサート「100万人のクラシックライブ」
3月7日(土)午後2時開演予定 定員100名 事前申込み制
※詳細は公式サイトをご参照ください
・列品解説
午前11時〜:2月29日(土)
午後2時〜:3月12日(木)
【参考・引用】
プレスリリース
プレス内覧会時ギャラリートーク
聚美vol.34 特集「鉅鹿」発見100年ー磁州窯と宋のやきもの