「真珠記念日」 ~5つぶの白い光の誕生日
月のしずく…?いいえ、人の涙の結晶 by御木本幸吉
1893年7月11日に、御木本幸吉(みきもとこうきち)・うめ夫妻が初めて真珠(半円真珠)の養殖に成功してから123年目を迎えた今宵、きらめく月に真珠を重ねて…。
天然真珠から養殖真珠へ…
形の不ぞろいな天然真珠は万に一つの奇跡
もし、真珠が偶然の産物に頼ることなく、生産することができたら…今では当たり前の養殖産業は、「世界中の女性の首を真珠で飾って見せる」…と豪語した御木本幸吉により発展しました。
真珠に生涯を捧げた、幸吉とうめ
その後、1905年に真円形の真珠の養殖に成功しました。が、うめはその成功を見ることなく5人の子供を残してこの世を去りました。そのことで幸吉の真珠への想いはさらに強くなったのかもしれません。これまでにも増して、真珠の普及に飛び回り「真珠王」と呼ばれるまでになりました。
明治・大正・昭和、そして今
豊受姫大神が祀られている「珠の宮」
とはいえ、天然真珠より多く安く売ることができる養殖真珠は「ニセモノ」である、と海外でバッシングを受けたり、戦時中は生産や輸出が禁じられたりしました。そんなときも幸吉はくじけることなく、バッシングの誤解を丁寧に解き、装身具を生産できない時は真珠をカルシウム剤にするなど、工夫を凝らして時代を生き抜いてきたのです。
うどんに真珠…神の地ならでは?浄化の白
現在、御木本幸吉記念館、パールプラザ、真珠博物館が「珠の宮」を囲むように建設されています。パールプラザでは、幸吉の生家の商いであったうどん屋「阿波幸」が再現されています。神の地・伊勢ならではの伊勢うどんです。
白は浄化の色…うどんと真珠がこの地の名産になったことにも何か意味がありそうですね。
参考
書籍 『真珠王ものがたり 世界の女性の首を真珠で締めた男。御木本幸吉』 伊勢志摩編集室
サイト 『ミキモト真珠島』