日本人は長生きだなあ。「敬老の日」に高齢者の人口について考えてみた
昨年の内閣府の報告によると、去年の10月1日現在の65歳以上の人口は3,392万人、日本の人口の26.7%を占めています。平均寿命は男性が80.5歳、女性が86.8歳。最近では、女性が80代前半で亡くなると、「まだ若いのに…」とすら思えてくるようになりました。また、100歳の人口は6万5000人以上。今や100歳はそんなに珍しくはありません。今後ますます少子高齢化社会を迎える日本。改めて日本の高齢者の人口について見てみると、将来の日本の姿が見えてきそうです。
総人口のうち、65歳以上が27%。ずいぶん多いんだな、65歳以上
去年の日本の人口について見てみると、
・総人口 1億2,711万人
・65歳以上 3,392万人(人口比 26.7%)
・75歳以上 1,641万人(人口比 13.8%)
若者人口が多い都会では実感がないかもしれませんが、地方の都市では子どもの数が激減し、小中学校や高校が合併・閉校したり、生徒数の減少でクラブ活動が成り立たなくなっています。街の中を見てみても、若い人はほとんど歩いていません。一方、介護施設や高齢者向けの住居(いわゆる“サ高住”)が急増し、飲食店やスーパー、サービス業などでは“シニア割引”が普及しています。いつの間にか市民生活に“お年寄り”向けのものが浸透し、それが一般化してきているように思われます。
100歳以上が6万5,692人。昭和38年にはたった153人だった
夫婦で100歳!!
100歳人口の推移を見てみると、
・昭和38年 153人(100歳がまだ珍しい)
・昭和56年 1,072人(1,000人を超えた!)
・平成10年 10,158人(10,000人を超えた!!)
・平成24年 51,376人(50,000人を超えた!!!)
・平成28年 65,692人(まだまだ増えそう!!!!)
昭和のころは100歳というと本当に珍しい存在でした。昭和40年代の100歳以上の人の中には、生まれが明治以前、つまり江戸時代だという方もいました。
現在の最高齢者は、
・男性 112歳(明治37年生まれ)
・女性 116歳(明治33年生まれ)
若い人にとっては、明治時代は「歴史の教科書の中」のこととなっているようですが、日本にはまだ、明治生まれの人が生きているのです。
まだまだ現役で働いている高齢者も多い。70歳以上の男性の2割が就労
若い者にはまだまだ任せられんぞ!!
働いている男性を年齢別に見てみると、
・60~64歳 74.3%(参考数値)
・65~69歳 50.5%(退職後もほぼ半数)
・70歳以上 19.9%(2割がまだ現役!!)
さらに、働いている全世代のうち、65歳以上が占める割合は10.7%です。職場の1割が65歳以上。単純に考えると、100人の会社なら、10人が65歳以上という計算になります。
高齢者の割合を他国と比べてみると、日本の“年寄り”率がもっとも高い。
・日本 26.7%
・イタリア 22.4%
・ドイツ 21.2%
・フランス 19.1%
・イギリス 17.8%
・カナダ 16.1%
・アメリカ 14.8%
アメリカと比べると、12ポイントも違っています。
2040年(平成52年)の推計では、日本は65歳以上が36%、80歳以上が14.7%と予測されています。100人のうち36人が65歳以上…。いったいどんな世の中になっているのでしょう。
〈参考:内閣府、「平成28年版高齢社会白書」〉
〈参考:総務省、平成27年9月20日、「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」〉
〈参考:厚生労働省、平成28年9月13日、「百歳高齢者表彰の対象者は31,747人」〉
少子化だ、超高齢化社会だと、ことあるごとに耳にします。日々の暮らしの中でも、介護施設の急増や小中学校の閉校など、身近なところでも感じることができます。さらに、お祝いとして厚生労働省から100歳を迎えるお年寄りに贈られる銀杯も、100歳人口の増加で費用がかさむため、純銀製ではなく銀メッキとなりました。
高齢者の貯蓄は1世帯あたり2500万円。高額の貯蓄があり、年金制度がしっかりしている高齢者世代は、自由に使えるお金が多いので、旅行や趣味などに費やすことができます。一方、子どもの貧困や非正規という働き方が社会問題となっている若い世代は、これからますます進む超高齢化社会を支えなければなりません。社会のしくみは今のままで大丈夫なのか…、そんなことを考えさせられてしまいました。