“マンモ”なんて怖くない!母の日に乳がん検診をプレゼントしませんか。
母の日にはカーネーションだけでなく、乳がん検診を!
「母」という文字は、子に乳を与える姿から成ったとも言われています。子どもを生み、養い育てる母にとって大切な乳房。そこに巣食う忌まわしきものが「乳がん」です。
近年、乳がんの罹患率(りかんりつ)だけでなく、死亡率も増加していることをご存じでしょうか。原因はさまざまで、遺伝子による影響も取り沙汰されています。
女性だけではなく男性も、母の日を前に乳がんについての知識を深めましょう。
乳がんを正しく知ろう
生涯で女性が乳がんになる確率は9%で、12人に1人の割合になります。
40代での罹患がもっとも多く、死亡率も40代がピークですが、それよりも若い世代で発症する女性も増えています。2013年には、残念なことに1万3000人を超える人が乳がんで命を落としています。
ところが、乳がんは他のがんに比べても比較的生存率が高いのが特徴です。つまり、早期に発見することで治癒率が高いがんでもあるのです。
乳がんとは「乳腺」にできる悪性腫瘍です。乳腺には、母乳を作ったり運んだりする「乳管」と「乳腺小葉」があり、ほとんどの悪性腫瘍は乳管にできます。
また、乳がんは「浸潤がん」と「非浸潤がん」に分けられます。がん細胞が乳管の中に留まっている場合を非浸潤がんといい、ごく初期の段階です。この段階でがんと診断されても、転移や再発のリスクが少ないので、ほぼ治療することが可能です。ただ、非浸潤がんは、しこりができないため、触診などで発見することはできません。マンモグラフィなどの専門の検査や細胞診によって見つけることができます。
逆に、「浸潤がん」の場合は、がん細胞が乳管を破ってしこりになったため、日頃、セルフチェックをすることで自分でも見つけやすいと言えます。
年齢によって違うチェックの仕方
そのためにも、40歳以上の女性は、専門機関での乳がん検診を受けましょう。
検査方法は「マンモグラフィ(レントゲン)」「エコー(超音波)」「視触診」の3つです。若い人は乳腺が発達しているので、マンモグラフィでの検査はあまり適していませんが、40代になると大変有効で、この3つを組み合せることにより検査精度が増します。
よく、マンモグラフィが痛いという話を聞きますが、検査は一瞬のこと。がんになるリスクを放っておくよりは検査を選ぶほうが賢明です。
厚生労働省の推奨は2年に1回ですが、親や姉妹などで乳がんを発症した人がいる場合は、年に1回の定期検査をお薦めします。
そして、できれば20代から、月に一度は自分の胸の状態を知っておきましょう。
鏡で“へこみ”や“ひきつれ”がないかを目で確かめ、“しこり”がないかを手で触って確認します。乳首から“分泌液”が出ていないかどうかもよく見てください。もし、気になるところがあった場合は、すみやかに乳腺専門の病院へ行ってください。
もし、乳がんと診断されたら
乳がんの発生件数が多いアメリカでは、“乳房を再建するまでが乳がんの治療”とされています。乳房を喪失することは女性にとって大変意味の大きいことだからです。日本でも、乳房再建までをカバーできるがん保険が増えています。
ただ、がんの進行がある程度進んでいると、乳房再建ができないのも事実です。そのためにも、早期発見が望ましいのです。
地方自治体や企業でも、乳がん検診を推奨し、無料で検査ができるところがありますので、自分の体を守るために、上手に利用してください。
大切な人を守るために
女性は、母であり、妻であり、娘であり……さまざまな役目を果たしています。
「母の日」を合言葉に、今年からカーネーションと一緒に“乳がん検診をプレゼント”してみてはいかがでしょう。
参考:国立がん研究センターがん対策情報センター
「がん情報サービス」最新がん統計より (リンク先参照)