7月「博多祇園山笠」が本格始動です!
町の中で披露される山笠
「祇園祭」といえば山鉾がゆっくりと巡行していく京都のを思い浮かべる方も多いと思いますが、ここ博多の祇園山笠は違います。10mを超える大きな山笠を担いで走り、その速さを競う豪壮なもの。暑い夏の始まりに行われる「博多祇園山笠」の魅力をお伝えします。
始まりは鎌倉時代!?祭の歴史はわからないくらい古いのです
法被姿、博多祇園山笠の正装です
福岡は九州の北側にあり、朝鮮半島に向かった海に面してます。古代から大陸の文化が入って来る通り道でした。博多の人からよく聞かれる「よか、よか」「よかと」ということばから感じるのは、誰でも大きく受け入れてしまう気質。昔から多くの人が集まり、貿易の基地として発展してきた町を作ったのは、この気質でしょうか。皆が協力し危機を乗り越え、伝統の中に作り上げてきたお祭りが「博多祇園山笠」、そんな風に思われます。
さあ「博多祇園山笠」を見に町へ出ましょう
山笠全体の指揮をとる「台上がり」
「山笠」には担いで走る「舁(か)き山」と、飾ってみんなに見てもらう「置き山」の二つがあります。
「山笠」を担いで走ることを「舁(か)く」と言います。時代劇に出てくる籠を担ぐ人を「籠かき」といいますね。あれと同じです。
「山笠」は「太閤町割り」から始まった町作り、現在は7つの区域があり、ひとつの区域のことを「流(ながれ)」といいます。「中洲」「西」「千代」「恵比須」「土居」「大黒」「東」の7流れがあります。博多の町を歩くとひょんと大きくて豪華な「山笠」にでくわしますから、ひとつづつ見て回るのもたのしいですよ。
またこの期間中は「舁き山」を担いで走る練習風景も見られますから、地元で手にはいるパンフレットや公式サイトを見ながらぜひ体感してください。
必ず訪れて欲しいのが「櫛田神社」です。地元の人が「おくしださん」と親しみをこめて呼ぶこの地の守り神、「博多祇園山笠」の中心となる神社です。ここでは年間を通して「山笠」が飾ってありますので、お祭りの期間でなくても見ることができますから嬉しいですね。
7月1日~15日まで「博多祇園山笠」は毎日がお祭りです
櫛田神社
神への祈りと身の清めを大変重んじ、法被をキリッと着こなしている男たちが法被を脱ぎ、締め込み姿になって、魂込めて舁き走る「博多祇園山笠」がスタートです。
1日の早朝、櫛田神社の神官による祝詞で「山笠」のお清め「注連下し(しめおろし)」が行われ、最終日までの安全を祈願します。その後「ご神入れ(ごしんいれ)」といって「山笠」に神様を招き入れる神事が行われます。夕方は筥崎浜へ行き清めの砂「お汐井(おしおい)」を取って身を清め、安全を祈願します。9日までにすべての「流」の「ご神入れ」と「お汐井とり」が行われ、神様を招き入れた「山笠」と「舁き手」の清めがおわり準備が整います。
10日「舁き山」の登場です。この日は「流」の区域の中を舁きまわります。11日「流」の区域の外にも出て行きます。12日は「追い山ならし」といって最終日の「追い山笠」のリハーサル。13日はすべての「舁き山」が福岡市役所前に集まる「集団山見せ」、14日は「流舁き(ながれかき)」という最後の練習日。いよいよ15日は「追い山笠」の本番。どこの「流」の「山笠」が一番速いか! 重ねてきた練習の成果、スピードを競います。
15日は早朝4時59分、1番山笠が大太鼓の合図とともに櫛田入り、「博多祝い唄」を歌い博多の町へと走り出します。その後2番から7番までの山笠が順番に境内を出て、ゴールとなる須崎町の廻り止めをめざし、約5kmの「追い山笠コース」を懸命に舁きます。
朝6時、すべてが終わると再び「山笠」が櫛田神社にもどります。境内の能舞台で奉納の能が演じられ「博多祇園山笠」がおわります。山笠が終わるといよいよ博多に夏がやって来ます。
「祇園山笠」が親から子へ、孫へ伝えていくものは?
水法被、締め込み姿の舁き手たち
よし! 次の時代は僕にまかせて!
祭りはこれからが本番です。15日の「追い山笠」まで、まだまだ時間はありますよ! 参考となるサイトを挙げておきました。今年は「博多祇園山笠」で夏を体感しませんか。