いよいよ9月も終わりに、第四十七候「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」とはどんな季節?
動物たちの冬ごもりは生死の戦い、生き延びるために必要なものは何?
どんぐりの実
どんぐり、といえばリスがどんぐりの実を両手でもって囓る姿は愛らしく、リスらしい姿としておなじみです。リスはクマと違い眠り続けるのではなく、時々起きて冬眠用に貯蔵しておいたどんぐりなどを食べ排泄もしているということです。
動物それぞれの冬眠がありますが共通しているのは木の実、私たちも木の実は栄養価が高く身体にいいと言われています。木の実は土中に落ちればやがて双葉が出て、何年何十年と成長していく木々の生命が育つ養分が詰まっているのです。これをしっかり食べて冬を越すのは動物たちの生きる本能がもつ知恵というわけですね。
秋の里山は生きるものすべてに、冬を越すために必要な食べ物を用意してくれています。まさに宝の山だと気づかされます。
参考:環境省「クマに注意!」
私たちにも身近な木の実がありますね、ピーナッツもそのひとつです
ピーナッツの収穫
取れたてピーナッツは茹でて枝豆のように食べることができます。乾燥している食べ慣れたピーナツと違い、軟らかな口当たりはまた違う味わいと美味しさがあります。食べてみてください、本当に驚きますよ。これは産地でしか味わえないと思っていましたが、最近茹でピーナツとして冷凍されて出まわっているようです。茹でたてピーナツを食べられるチャンスがありましたら是非試して下さい。新しい味に出会えること請け合いです。
よく食べる「クルミ」の実はどんな風に木に生るかしら?
クルミはクルミの木に雄花と雌花が咲き受粉して実を結びます。青い実です。丸くてちょっと硬そうなしっかりした感じです。私たちが知っているゴツゴツしたあの殻のクルミは青い実につつまれた種のようです。実が熟して落ち腐っていけば自然とクルミは中から出て来ますが、青い実からクルミを取り出す時は、水につけて実を腐らせるということです。子供の頃梅干しの種を口にいれてなめ続けたことはありませんか? なめたり噛んだりしていると種が軟らかくなり、あるときヒョンと種が割れると中から小さな種がもうひとつ出てきます。天神様、などといって楽しみましたが、クルミの実は正にあの天神様とおなじ。種の中の実。次の世代のためのクルミの養分がつまったもの。大切なものだからしっかりと硬い殻に包まれているんですね。
食欲の秋はクマやリスなど冬を眠って過ごす動物だけでなく、冬の寒さを乗り越えるためには人間にとっても大切な時期だということがわかります。身の回りにいつでも食べ物のある私たちは、ピーナツやクルミといった栄養たっぷりの木の実など食べ過ぎないように気をつけることも、必要ではないでしょうか。私たちも食欲の秋、実りの秋をおいしくいただいて冬支度を!