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    「霞始靆」(かすみはじめてたなびく)頃になりました。春の気配が感じられる季節です

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    「霞始靆」(かすみはじめてたなびく)頃になりました。春の気配が感じられる季節です
    二十四節気「雨水」の次候になりました。雪や氷がとけて雨水となるのは地上に陽気が発生するからとのこと。大地の目覚めとともに乾燥から潤いへ、ピーンと張り詰めていた空気がゆるんで水蒸気が立ちのぼり霞が棚引き始めます。朝夕は太陽の光で赤く染まり朝焼けは朝霞、夕焼けは夕霞といわれます。ほかにも遠くの山にかかる遠霞(とおがすみ)、濃く薄く棚引くようすは八重霞(やえがすみ)、また薄霞(うすがすみ)と時間や大気の状態で霞をさまざまに表現しています。

    「ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山霞たなびく」 後鳥羽上皇

    新古今和歌集にある春の到来を喜ぶ歌です。霞が棚引くようすが「ほのぼの」ということばとともに春の訪れのやさしさを感じさせますね。さあ、草木も芽吹きの時をむかえ枯れ枝に淡い色が現れはじめますよ。春の鼓動を感じましょうか。

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    風を感じ、空気を味わい季節とともに日々を生きる。 『歳時記』を開けば、先人たちが残した季節のことばに溢れています。 一つづつ味わっていけば、毎日が素敵なひと時になっていきますね。

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