バスタオルを何回目で洗濯するか問題。「洗浄後のキレイな体を拭くからタオルも清潔」⬅これ間違いなんです

約半数の人が、1度の使用でバスタオルを洗濯。あなたは何回目で洗濯する派?
テレビでもたびたび取り上げられるなど、誰もが気になるテーマでありながら、
「プライベートな問題だし、人それぞれだから」と、話題に上っても結論が出ないままウヤムヤになっていませんか。
ところが、バスタオルの洗濯頻度が少ない人は、気づかぬうちにカラダから腐臭を発している可能性が!
ひょっとしたら、驚異的に細菌が増殖したバスタオルを、今夜あなたは使用するかもしれないのです。
洗いたて時と比較して、使用2度目で菌の増殖数は約2万倍!

菌は驚くべきスピードで増殖します(画像はイメージ)
でも、洗浄後であっても皮脂膜や剥離した角層、汗が乾いて落としきれなかった塩分や尿素、石けんやシャンプー、リンスの残りカスなど、さまざまな汚れがカラダには残っているもの。
よって入浴後といえども、多くの汚れがバスタオルの繊維に張りつく……と考えてよいでしょう。
そこで、「洗いたて」⇒「1度使用」⇒「2度使用」順に、バスタオル(10cm四方)に生息する雑菌(細菌)の数を比較したところ……
■洗いたて ⇒ 雑菌数/約500個
■ 1度使用 ⇒ 雑菌数/約40万個
■ 2度使用 ⇒ 雑菌数/約1,000万個
たった10cm四方なのに驚異的な数字です。バスタオル全体で考えると空恐ろしくなりませんか。
こうしたことから、雑菌などへの抵抗力が弱い乳幼児のいる家庭では、こまめな洗濯が欠かせません。
また、水虫やものもらい(まぶたの脂や汗腺に細菌が感染する目の炎症)を患っている人が使用したタオルを他の人が使えば、細菌が感染することもあるのです。
※雑菌数に関する情報:「衛生微生物研究センター」調べ
えっ、3カ月、半年に1回洗濯という人も!?

入浴後も洗浄剤の残りカスや皮脂がタオルに付着し、それらは細菌のエサに
●約48%:毎日 ●約25%:3日に1回 ●約15%:1週間に1回 ●約4%:2週間に1回 ●約2%:1カ月くらい放置 ●約1%:3カ月くらい放置 ●ごく小数:半年くらい放置 ●ごく小数:洗濯しない。使ったら捨てる
1カ月、3カ月、半年に一度の頻度で洗濯する強者の存在は、毎日洗濯している人にとって、天地がひっくり返るような驚きではないでしょうか……。
要は、細菌が増殖したタオルを使用しているということは、日中もカラダに大量の菌を付着させたまま活動していることになるわけですから、そんな人が身近にいたら少し距離を置いてしまうかもしれませんね(苦笑)。
湿気がこもった状態 = 菌が繁殖しやすい環境

洗濯・乾燥後は下から保存し、使用時は上から!
湿ったバスタオルを、クシャクシャのまま「湿気がこもった状態」にしておけば、より菌が繁殖しやすい環境を作ることになるため、一度使ったバスタオルは次に使うまでの間バスタオルかけにかけ、「乾燥しやすい(菌が増えにくい)環境」にしておくと◎。
加えて、画像のように、洗面所の収納棚に積み上げスタイルでタオルをストックしている場合、下のほうのタオルは湿気がこもりやすいので、細菌の温床に。よって、洗濯後のタオルは下から保存し、使用するときは上から順番に取り出すとよいでしょう。
何より、2度使用したタオルは、洗いたて時より病原菌数が2万倍に増えているデータの通り、同じタオルを何度も使用していれば、当然タオルからカラダに移った菌のせいで、布地の生乾きのようなイヤな臭いをカラダから発することになりかねません。
結論! 心とカラダを清潔に保つ、最良のバスタオル使用法とは?
でも、それだけでは満足できない!という人は、
●洗濯時に水の温度を30度以上にする ●希薄した漂白剤に定期的につけ置きする ●高温で乾燥機にかける ●煮沸する……という方法も。最近では、漂白剤なしで汚れとニオイを強力洗浄する洗濯洗剤も発売されているので、気になる人はそうした商品も試してみるのもよいでしょう。
ただし、自然界に暮らす私たちは、さまざまな菌と共存しています。
たとえば、皮膚の常在菌である表皮ブドウ球菌は、外からの細菌を寄せつけないよう防御し、肌を弱酸性に保つ別名・美肌菌。このほかにもカラダの外内側には多くの善玉菌が生息し、私たちの健康を守ってくれています。
よって、保有菌数をゼロにしたいと固執するあまり、タオルの衛生管理に神経質になり過ぎるのは、逆に精神衛生上よくないと考えましょう。
── と、ここまで長くなりましたが結論です。
「バスタオルを使用何回目で洗濯するか」問題の着地点は、
●1〜2度の使用を目安に洗濯 ➡ ●しっかり乾燥 ➡ ●棚のタオルを順繰りに使う
このサイクルこそ、心とカラダを清潔に保つ最も望ましいバスタオル使用法といえるでしょう。