備えの基本を押さえて防災力アップを目指す備えのツボ。今回は「冬の災害における備えのポイント」についてです。
2024年の元日に発生した能登半島地震や、25年1月で30年を迎えた阪神・淡路大震災など、これまでも冬場に大きな災害が発生しています。冬の災害に必要な備えを専門家に聞きました。
災害医療の情報発信などを行う岡山大学病院災害対策室の飯田淳義室長です。
(岡山大学病院 災害対策室 飯田淳義室長)
「冬は特に気温が下がるので防寒用のアイテム、保温アイテムを非常用の地だし袋の中に入れているか再点検してほしい」
冬の災害で特に注意が必要なのは「寒さ対策」。防寒具の備えが不足していると低体温症の危険性も高まるといいます。
(岡山大学病院 災害対策室 飯田淳義室長)
「自宅近くの避難所を再確認してもらうと学校の体育館や教室に指定されていると思う。避難所に無事たどり着けても特に夜間気温が下がるので毛布や防寒具でしっかり保温して低体温症に気をつけてもらいたい」
症状が悪化すると命にかかわるリスクもある低体温症。防寒具は避難先で十分な量が用意されていない場合も多くしっかりと備えておくことが重要です。さらに、飯田室長は冬の災害時は避難所での感染症の流行にも注意が必要だと話します。
(岡山大学病院 災害対策室 飯田淳義室長)
「冬は気温の低下とともに湿度も低下するので、インフルエンザやコロナなどがはやりやすい環境になる。マスクは必ず持ち出し袋に入れておくか常に携帯しておくことが自分と周りの身を守るために励行してもらえれば」
冬の災害に必要な備えを見ていきましょう。まずは毛布、手袋、カイロネックウォーマーなどの防寒具です。いざというときは新聞紙で暖を取る事も可能です。避難先で防寒具は人数分用意されているわけではないので、しっかりと自分で寒さへの備えを心掛けることが重要です。
そして次が感染症対策です。マスクや持ち運び用のアルコール消毒液などがあると安心です。さらに、冬に備蓄しておく食料としておすすめなのが、ようかんやチョコレートなどの高カロリーな食べ物です。
冬の災害時には体を温めようと多くのエネルギーが必要になるため手軽にカロリーを摂取できるこれらの備えがあると安心です。季節に応じてしっかりと命を守る備えを心掛けていきましょう。