二十四節気「大暑(たいしょ)」。酷暑を乗り切る和の暮らしの知恵
「大暑」すなわち、「暑気至りつまりたる時節なればなり」
ちなみに中国では、一年のうち最も暑いのは「三伏(さんぷく)」の間とされているとか。夏至後の第3、第4、第5番目の庚(かのえ)の日をそれぞれ初伏、中伏、末伏といい、この初伏から末伏までが酷暑の時期「三伏」にあたります。新暦ではちょうど7月中旬から8月上旬にかけて。ちょうど立秋までのこの時節、暑中見舞いなどの書き出しに、「三伏の候」「三伏の猛暑」と記せば、ちょっと粋なごあいさつになるかもしれませんね。
涼を求めて、夏の風物詩・風鈴を探しに「川崎大師」風鈴市へ
なかでも「吊(つり)しのぶ」に下がった風鈴が、軒先でチリンチリンと風にそよいで鳴るさまは、江戸情緒をいまに伝えるものといえるでしょう。
「しのぶ」とは、山中の湿った岩や大木に着生している落葉性の多年草。その「しのぶ」を、小舟や亀、井桁、満月などの形に編んで、吊り下げるようにつくったのが「吊りしのぶ」です。冬の間に落葉し、そのままほおっておいても、また春になって水を与えれば緑鮮やかな新芽を出す生命力が強い植物です。
心地よい音色を響かせる自分好みの風鈴を探すなら、全国900種類、約3万個の風鈴が一堂に集まる川崎大師「風鈴市」に出掛けてみるのはいかがでしょう。
この風鈴市、今年で第21回を迎え、関東近郊はもとより全国の人達に親しまれている年中行事です。
今年もすでに7月20日(水)から始まっているのですが、7月22日(金)、23日(土)、24日(日)も10:00~18:00まで開催中。おなじみの川崎大師オリジナルの名物「厄除だるま風鈴」ほか、岩手県の「南部風鈴」、神奈川県相模原市津久井の「苔玉風鈴」、益子焼・備前焼・清水焼・有田など全国の焼き物の産地の風鈴や、ガラスや石、鉄、竹などの風鈴がずらりと揃う様は圧巻!浴衣を着てそぞろ歩くだけでもいい暑気払いになりそうです。風鈴の価格帯はだいたい1,000円前後とのこと。色も形も素材も音色も、実にさまざまです。
凛とした音色のおびただしい重なりに、風情と涼を感じるこの風鈴市。好きな音色を探してまわったり、また、故郷の風鈴を探すのも一興。昨年求めた風鈴を感謝を込めて納めて、新たな風鈴を求めて持ち帰り、その音で邪気を祓い、猛暑をしのぐご家庭も多いようです。
全国的に盛り上がってます「打ち水大作戦」!夏の日課にぜひ取り入れて
エアコンがなかった時代、生活の知恵で涼を取っていた江戸の庶民にならった、「打ち水」イベントが今年もあちらこちらで始まっています。2003年から始まった「打ち水大作戦」は、雨水や下水再生水などの二次利用水を利用する、誰でも参加できる環境活動。「大暑」を迎える本日22日は、三重県松坂市をはじめ東京都港区・新虎通り、練馬区北町などで打ち水イベントが催されます。東京丸の内では「打ち水プロジェクト2016《丸の内de打ち水》」(※小雨決行、荒天中止)を実施。大勢の参加者によるいっせいの打ち水を行うことは、ヒートアイランド対策や、エアコンの使用減少による温室効果ガス排出量の削減効果が期待できるということです。
今後も8月にかけて打ち水イベントが続々各地で行われるそうなので、一度参加してみてはいかがでしょう。
また、路面だけでなく屋上やベランダ、壁や室外機の周りでも効果あるとのことなので、自宅のお風呂の残り水や除湿器から出た水などを利用して、ぜひ打ち水を。夏の日課に取り入れてみるのもおすすめです。
夏野菜で体内の湿気や熱を出し、水分を補って。夏風邪にも要注意の時節です
冬瓜、なす、きゅうり、とうもろこしは体内のこもった湿気を排出。ゴーヤは、体内の熱を取り去ってくれるお役立ち野菜。また暑さで失われた水分は、(冷たい飲料ばかり飲むのでなく)トマトなど水気たっぷりの食材で補うのもおすすめです。
ラタトゥイユ、トマトとキクラゲのスープ、きゅうりと豚肉の炒め物、ゴーヤチャンプルー、トマトの焼きうどんなど、豊富に取れる夏野菜を使って、さっぱりみずみずしい旬のおいしさを楽しみましょう。その際、ショウガやミョウガ、シソ、ネギなどを加えるとよりいっそう食欲がわき、冷え過ぎの解消にもよさそうです。