秋の夜長を楽しむ!「夜に咲き香る花」に何を思い浮かべますか?
多肉植物の「月下美人」を思い浮かべ方も多いのでは?
夜咲き香るのは、たくさんの種類の植物が競合となる昼間をさけ、受粉のために夜行性の昆虫(日本ではスズメガなど)を引き寄せるためです。このため、夜目立つように白や黄色などで花びらもひらひらとしたものが多いのです。
本日は、秋の夜長を豊かにしてくれる「夜に咲き香る花」を見ていきます。さて、どんな花たちが見られるのでしょうか?
チューベローズ(月下香)
レイやブーケに使われたり、香水の原料に使われたりと何かと身近な「チューベローズ」
花姿から清楚なイメージを抱きますが、夜になると濃厚で甘い香りへと変化することから、マレーシアやインドでは「夜の女王」の異名を持ちます。香りが良く、肌にも良い成分が配合されているチューベローズはコスメにも最適で、香水をはじめ洗顔ソープやボディソープ、ボディオイルやミスト、ハンドクリームやリップバームなど普段使用するコスメに数多く使われています。チューベローズの香りをいつも身近に感じられますね。
オシロイバナ
オシロイバナ
オシロイバナの名の由来は、黒い果実(種子)を割ると、白い粉質のもの(胚乳にあたる部分)があり、それがおしろいの粉のようなので、この名がつけられています。また、夕方に咲くことから「午後4時(Four o’clock)」「夕化粧(ユウゲショウ)」の別名もあります。英名では、一本の枝から異なった色の花を咲かせることから「ペルーの不思議(Marvel of Peru)」と呼ばれます
日本には江戸時代に入り、各地で野生化しているものも多く見られます。タネをまいて容易に育てられるので、一年草扱いにされることも多いのですが、本来は多年草です。
品種名のないものがほとんどで、花色は赤、オレンジ、黄色、ピンク、白があります。絞り咲きや咲き分けのものでは、1株の中で花ごとに少しずつ花色が違う花が咲きます。ちなみに 「ホウセンカ」と「オシロイバナ」は同じと教わった方もいるようですがそれぞれ別の植物です。
チョウセンアサガオ
チョウセンアサガオ
原産地は南アジア。日本へは、江戸時代 (1684年) に薬用植物としてもたらされ、現在は本州以南で帰化・野生化したものが見られます。
チョウセンアサガオの薬効は、古くから知られており、中国明代の医学書「本草綱目」にも、患部を切開する際、熱酒に混ぜて服用させれば苦痛を感じないとの記述があります。
華岡清州が日本で初めて乳ガンの手術をしたときの麻酔に使ったことで有名です。薬用植物ではありますが毒性も著しく強く、「キチガイナスビ」といった別名や、「デビルズトランペット(devil's trumpet,)」という洋名も持ちます。
つぼみをオクラと、また、種子をゴマと間違えて食べた事例では、症状 おう吐、瞳孔散大、呼吸のみだれ、けいれん、呼吸困難などがみられ、万一のための用心から食用の植物の近くで育てないことをお勧めします。
エンジェルストランペット