梅雨の終わり「半夏生」には、タコを食べて元気になろう!
いろいろな食べ方で楽しめます
豊作を願い、タコを食べる
田植えが終わるとひと休み
農家でありながら海の生物であるタコを神様に捧げるというのも意外ですが、いったいなぜタコだったのでしょうか?
タコはその姿から縁起物とされていました。「多幸」という語呂合わせもおめでたいですし、足が8本ということで末広がりの「八」を連想させます。半夏生にタコを食べる風習は、主に関西地方で行われていますが、さらにタコの足にたくさんある吸盤のように、稲もたくさん実りますように……という願いも込められていたといいます。
タコを食して疲労回復
さらには「亜鉛」も多く含まれており、免疫力を向上させてくれる効果もあるといいます。半夏生は農家の人々がひと休みできるタイミング。まさに、疲れた農家の人々の活力をよみがえらせるのがタコといってもよいでしょう。
半夏生にタコを食べるという習慣が関西を中心に広まっていきましたが、その背景には6~7月にかけて獲れる明石のタコが絶品ということもあるでしょう。「明石焼」に代表されるようにタコの名産地である兵庫県の明石。特にこの時期のタコは身がやわらかく、どんな食べ方でもおいしく食べられるのだとか。体によいのはもちろんのこと、おいしくタコが食べられる時期でもあるのです。
半夏生、他の地域では?
福井県の半夏生といえば「鯖」
さらに、香川県では「うどん」が食べられます。当然、「うどんといえば香川!」というイメージが定着していますが、半夏生のときにうどんが振る舞われたのが由来しているのでは……という説もあります。麦の収穫が終わり、その麦でつくったうどんを半夏生のときに、あのシコシコ腰のある美味しいうどんを、きっとみんなで食べたのですね。
―― 農家育ちではない人にとっては、「半夏生」という時期はなじみがないでしょう。ただ、旬のときにその土地で食べるおいしいものが、元気の源になることは間違いなさそうですね。今夜はたこをぜひ!