4月2日からいよいよスタート! 7年に一度だけ開催される奇祭「御柱祭」とは?
最大の見せ場「木落とし」で御柱の上に立つ氏子たち
御柱は長さ約17m、直径約1m、約10トンもの巨木ですが、これを人の力だけで諏訪大社へと運んでいくのです。
御柱祭に集う観光客の数は200万人を超えるともいわれています。
これだけ多くの人を集める御柱祭の魅力は、何といっても「人の力」でしょう。
血気盛んな氏子たちが命懸けで御柱を運んでいく迫力は圧巻の光景です。
日本三大奇祭の一つであり、日本を代表する神事の御柱祭とは一体どんな行事なのでしょうか?
平安時代より伝わる伝統行事、御柱祭とは?
長い年月をかけて選ばれた御柱
諏訪大社は諏訪湖を隔てて南側が「上社」、北側が「下社」となっています。
上社にある本宮と前宮、下社にある秋宮と春宮、これら4つの社殿の四隅にある御柱を建て替えるのがこの祭りの目的です。
計16本の大木は2年ほど前から「見立て」が行われ、厳しい審査を通った木だけが御柱に選ばれます。
歴史をたどると、古くは平安初期の桓武天皇の頃から行われていたといいます。
また、文献には「寅・申の干支に当社造営あり」との言葉も。この言葉が今の時代にも伝わり、7年に一度しか行われない貴重な祭りとなっているのです。
最大の見せ場、命懸けの「山出し」
身も凍える冷たさの中の「川越し」も試練です
御柱祭は主に2つのパートに分かれます。4月に行われる「山出し」と5月に行われる「里曳き」です。
山出しは御柱を山から里に出す行事ですが、この光景が迫力満点!
中でも「木落とし」は山出しの最大の見せ場。傾斜約30度の斜面で、氏子を乗せたままの御柱を一気に落とします。
上社の御柱には「めでどこ」というV字の角のような梃子棒がついており、その上に氏子が乗るため不安定で横倒しになることも。
一方の下社は、上社よりも20mほど距離が長いため、こちらもまた命懸け……。
そんな壮絶な木落としの後に、上社ではさらに「川越し」という過酷な道のりをたどります。約40mある川幅を雪解け水の冷たさの中、氏子たちは必死の形相で渡るのです。
過酷で危険な状況を目の前にしつつも、「男見るなら7年一度 諏訪の木落とし 坂落とし」とうたわれるほど、諏訪の男性にとって山出しは「誇り」と言えるでしょう。
華麗なるお披露目の場「里曳き」
4月の木落としの力強く、迫力がみなぎる雰囲気とは一変。
里曳きは華やかな晴れの舞台といった美しさに包まれます。
里曳きでは、宮司が先頭に立ち、御柱の警護に当たる騎馬行列、そのまわりを鮮やかに彩る花笠踊りや龍神の舞。
宮までの道中をたくさんの人々に見守られながら御柱は進んでいきます。
そして、御柱祭のフィナーレ「建御柱」で各境内に御柱が建てられます。
── 危険をも顧みない豪快さと、祭りらしいきらびやかさを兼ね備えた御柱祭。
7年に一度しか見ることのできない祭ゆえ、4月の山出しも、5月の里曳きも、その醍醐味は現地で実感したいもの。
日程をチェックして、ぜひ体感しに行ってみてはいかがでしょうか?
※ 御柱祭の行事日程は下記リンク先参照