10~15歳の《昭和の記憶》が脳を活性化させる!? 介護にも役立つ「回想法」をご存じですか?
白黒テレビ
介護ケアでも注目されている「回想法」
なつかしい物や映像を見て思い出を語り合うことは、脳を活性化し精神状態を安定させ、長く続けることで認知症の進行予防やうつ状態の改善に役立つといいます。
現在とりいれる自治体や介護施設が増えていて、愛知県北名古屋市では「昭和日常博物館」(歴史民俗資料館)が収蔵する昭和時代の生活用具や玩具などを用いて、地域の高齢者の認知症予防や心理療法、リハビリテーションに活用しています。
そのときにポイントとなるのが、「10歳~15歳の記憶」。
食事・排せつ・入浴・移動・寝起きなど、日常生活を営むうえで普通におこなっている行為を『ADL(Activities of Daily Living。日常生活動作)』と呼び、これができるかどうかが介護の必要性の分かれ目になっています。その「ADL記憶」は 10歳~15歳の記憶の中に含まれているため、当時の記憶を失うと、ADLが維持できなくなるのだそうです。
逆に 10歳~15歳の記憶」が鮮明なら、日常生活能力が維持できると考えられているのですね。
昭和の道具で「10代の記憶」を呼び覚ます
洗濯板とたらい
『かま炊きごはんの思い出』にちなんだイベントでは、釜・おひつ・箱膳・一升ます・かつお節削り器などを用い、実際にまきを燃やして釜でご飯を炊き、炊飯器ではだせない美味しいご飯を作ります。
回想法の参加者は、回を追うごとに笑顔が増して表情豊かになり、積極的な発言や行為が増えて対人コミュニケーション能力がアップする、という研究報告もあります。
回想法は、楽しいおしゃべりを基本としているため、場所や費用を必要としません。そうしたことから、専門家による療法だけでなく、多くの公民館や敬老館などで楽しまれるようになりました。おうちに眠る思い出グッズを持ち寄っておしゃべりするのも楽しそうですね。
老年期に人生を振り返り、自己の人生を再評価することで、自尊心が向上するといいます。回想法は、高齢期特有の抑うつ状態の緩和にも効果があるといわれています。
昭和の日は「わたしの昭和」で盛り上がろう!
給食カフェも話題です
また、懐かしい道具がそろった歴史民俗資料館や博物館は全国各地にあります。ゴールデンウィーク期間には、東京の『昭和館』(本日常設展示室が無料開放。詳細はリンク先参照)のように、いろいろな施設が無料開放やイベント開催するようです。
親しい方とお近くの施設を見学しながら、楽しい思い出語りのときを過ごすのはいかがでしょうか。
新横浜『ラーメン博物館』