東日本大震災の記憶を風化させないため、3月11日を機に、みんなで防災意識を高めましょう
3月11日に発生した「東日本大震災」から5年。防災グッズの準備は万端ですか?
地震、火災、津波、原発事故など、未曾有の事態が立て続けに起こり、依然として2584名※もの方が行方不明とされる辛い現実があります。
そして、震災前の日常生活を取り戻すため、 困難な状況のなか必死にがんばっている人がたくさんいます。
※27年3月11日 警察庁緊急災害警備本部広報資料より
あのような自然災害はもう二度と起きてほしくありませんが、この時期にこそ「他人事」とは思わず、皆さんも万が一に備えて、今できることを始めましょう。
3月11日を新たな防災の日に
皆さんの防災は大丈夫?
「大震災の試練から得た貴重な教訓を記録に残すとともに、防災教育に活用するなど、各世代がしっかりと受け継ぎ、災害の絶えないわが国の防災に役立てていくことは極めて重要だ。復興をしたうえで今後、長期的な観点から3月11日という日をどのような位置づけ、どのような取り組みを行っていくかは指摘を踏まえてよく検討したい」。
こうした発言から、もともと「防災の日」として制定されている9月1日に加え、3月11日も新たな「防災の日」とする動きが出ています。
関東大震災(大正12年)が発生した9月1日は、ご存じの通り「防災の日」であり、国民が防災や災害についての知識を高めることを目的として、今でも国や地方団体による講演会や防災訓練が行われています。
そうした機会が増えることは、地震大国・日本に住む私たちの防災意識向上ともなり、何より東日本大震災の記憶を風化させないことにつながるでしょう。
いざという時に役立つ、防災グッズ情報
健康保険証、免許証、おくすり手帳のコピーも重要な防災グッズ
だからこそ、防災訓練を待つ「受け身」ではなく、「自発的」に防災準備をしておきたいもの。
総務省消防庁のホームページでは下記のものを常備しておくよう紹介されています。
現金、印鑑、通帳、懐中電灯、食品、水、救急箱、ライター、缶切り、ロウソク、ナイフ、衣類、手袋、哺乳瓶、インスタントラーメン、毛布、ラジオ、ヘルメット、防災ずきん、電池……
基本的に揃えておかなければならないものだけでもこれだけの数になるわけですから、現金や印鑑、通帳などは、普段から家族全員で置いてある場所を共有しておくとよいですね。
さらに、インスタント食品や飲料水などは、賞味期限を年に数回チェックしましょう。
また、東日本大震災では、沿岸地域の医院や薬局が津波で流されてしまったため、「健康保険証やおくすり手帳が手元にない」「薬の名前や種類がわからない」といった事例も数多く報告されました。
一方で、医薬品供給が不十分な状況下、すべての患者を受け入れていた宮城県のある市立病院では、カルテ・薬歴がない患者の診察時に、唯一の情報源であるおくすり手帳を、総合的な医療情報共有ツールとして活用したそう。
こうしたことからも、健康保険証や免許証のほかに処方箋やおくすり手帳のコピーを、防災グッズとして用意しておくと安心ですね。
あっ!これは便利という防災グッズ
歯磨きできなくてもこれがあればサッパリ!
それは「携帯トイレ」「液体歯磨き」「ラップ」などです。
●「携帯トイレ」
地震によって配水管や下水道が破損している間は、復旧までにトイレが使えないため、被災生活時に役立つ「携帯トイレ」は必需品です。
●「液体歯磨き」
水道が止まってしまった場合に備えて、1人1本を用意しておくとよいでしょう。
●「ラップ」
思わぬケガに見舞われた際にも止血の応急処置に役立ちますし、絆創膏としての役割も果たしてくれます。また、食事が不安定な状況下では、食品保存にも威力を発揮してくれるでしょう。
●「女性」「幼児」の場合
生理用品や多めの下着、乳幼児がいる場合は、おむつやおしりふき、母子手帳のコピーもとっておきましょう。
●「高齢者」の場合
先ほどご紹介した「お薬手帳」や処方箋のコピーをはじめ、常備薬、大人用おむつ、老眼鏡、折り畳み杖などを用意しておきましょう。
このように、性別や年齢層によって用意しなければならないものは様々。
いざという時に役立つオリジナル防災グッズをしっかり用意しておけるよう、家族や職場で話し合う機会を設けることも大切ですね。
── 早いもので、震災から5年です。
毎年この日が近くなると防災について考えさせられますが、これを機に周囲を巻き込み、防災を見直す機会としたいものです。
何より、そうした取り組みを通して、被災地の復興をみんなで一緒に心から願いましょう。