冬限定!天からの贈り物、「雪景色」をイメージ通りに撮影するコツ
雪景色の撮影は朝一番が狙い目!
冬の晴れた朝は放射冷却の影響で気温が低く、湿度も低いため空気が澄んでいることが多く、そのため山の稜線がくっきりと表れています。午後になると、日中太陽に照らされた雪面からどんどんと水蒸気が上がるため、山には雲がかかってしまうことも。
また、明け方は太陽の位置が低いため、光が雪面に斜めに当たる(斜光)ことで、降りたての雪の結晶が光に反射してキラキラと輝き、とても幻想的な雰囲気を演出してくれます。
雪上での撮影はプラス補正で!
特に雪の上での撮影で人物などの被写体を小さく、雪景色を背景に大きく取り入れるような構図の場合、「思っていたよりも暗く写ってしまう」という結果が多く見られるかもしれません。
そんな時は、露出補正をしてみましょう。露出補正とは、カメラが判断した適正露出を、自分のイメージした明るさに近づけるために調整することです。自動に検出された露出よりも明るくしたい場合には+(プラス)方向に、より暗くしたい場合にはー(マイナス)方向に設定しましょう。プラス補正する場合は、背景が露出オーバー(白トビ)にならないようにモニターで確認しながら、何枚か撮影して好みのイメージに近づけていくと良いでしょう。
スマートフォンの機種によっては、モニターで画像を確認し、露出を測りたい箇所にタッチすると、その場所に合わせた適正露出をカメラが検索してくれる便利な機能がついたものもあります。露出が大きく変わる逆光などのシーンではとても役に立つ機能ですので、ぜひ活用してみてください。
雪上で人物写真を撮るときは逆光で撮影するのがオススメ!
日差しの強い日中の撮影の場合は被写体が逆光になる撮影ポジションを選びましょう。
動きのある被写体を撮るときはシャッタースピードに注意!
シャッタースピードが遅いと被写体がブレてしまいます。意図的にブレさせてスピード感を出す場合もありますが、被写体を止めて写したい場合はシャッタースピードは速めに設定します。
シャッタースピードは絞り優先モードで絞りの数値(F値)を変えることでも調節することができます。F値を小さくするとシャッタースピードは速くなり、被写界深度(ピントが合っている範囲)が浅くなってピントの前後にボケが生じます。また、F値を大きくすればシャッタースピードは遅くなります。この方法で手ブレしない程度にシャッタースピードを変えることもできます。
では、手ブレを抑えるのにはどの程度のシャッタースピードが必要なのでしょうか。一般的には手ブレを防ぐためのシャッタースピードはレンズの焦点距離分の1以上の速さが必要だと言われています。しかし、スキーなど動きの早い被写体を撮影する場合は、さらにスピードを上げて1/1000 秒くらいに設定しておくと安心です。もちろん、こちらも状況によって撮影をしながら調節することが必要です。
夕方などに撮影する場合、シャッタースピードをあげると写真が暗くなりすぎてしまうときは、ISO感度を上げてシャッタースピードを稼ぎましょう。ただし、ISO感度を上げすぎると画質が荒くなってしまうことに注意してください。
カメラの設定を覚えれば、撮影の視野が広がり、行動範囲もどんどん広がる!
写真は、今、撮影をする楽しみはもちろん、時間が経つにつれて薄れていく記憶を思い出すとともに呼び覚ましてくれる貴重な人生の記録です。ぜひ、この冬はあなたの相棒を連れて「一期一会の瞬間」を探しに出かけてください。
古瀬美穂
MIHO Furuse Photography
Image Create AH-UM代表
愛媛県出身 長野県白馬村在住
約20年に渡りスキー、スノーボードを中心に雪上の撮影を中心とした写真家活動を継続中。2014年にプロスキーヤーの夫と当時4歳のミックスツインズとの家族4人でニュージーランドを周遊した旅の記録を写真集「SWEET as…」として昨年発表。また今年は新たな作品集「STAGE」を1月末にリリース予定。