スキーヤー&スノーボーダーは天気図をどう見る?狙うのは雪質最高のパウダースノー!
レジャー
本格的なスキー&スノーボードシーズンとなりました。せっかくゲレンデに行くなら、サラサラの新雪、パウダースノーを楽しみたい、初心者なので悪天候の日は避けたい、という方もいらっしゃるのでは。気象予報士が天気図&気象レーダー&週間予報の見方をレクチャーします。
冬型の気圧配置が緩んで、高気圧が張り出してきたら絶好のチャンス!
上記の天気図は、冬季におなじみの西高東低の冬型の気圧配置です。日本付近の等圧線の本数が多く間隔が狭いほど、冬型の気圧配置が強まっている状態です。ゲレンデでは雪が降り、北風がピューピュー吹きます。リフトが止まることも考えられます。初心者で悪天候を避けたい場合は、等圧線の間隔が狭いかどうかに注目しましょう。
中央の天気図のように、日本付近の等圧線の本数が減って、「たわんだ状態」になると、冬型の気圧配置が弱まっている状態です。ゲレンデでは雪は降りますが、風は弱まります。
そして、右側の天気図のように、冬型の気圧配置が緩んだ後、大陸側から高気圧が張り出してきた時が、絶好のスキー&スノーボード日和です!冬型の気圧配置の間に新雪が積もっていて、高気圧に覆われている間は穏やかに晴れますので、最高のコンディションといえそうです。
tenki.jpでは
実況の天気図はもちろんのこと、24時間、48時間、72時間先の
予想天気図が確認できますので、ゲレンデに行く前に是非チェックしてみてください。
日本海に筋状の雲が見えたら、寒気の吹き出しが強まっている状態です。低気圧の雨と違って、ポツポツとした雲が日本海に筋状に並んでいるのがわかりますね。雨が降るのか、雪が降るのかは気温によって変わりますが、冬季にこの雲が見えたら標高の高いゲレンデでは雪が降る可能性が高いでしょう。
西高東低の冬型の気圧配置のときでも、レーダーを見てみると、日本海側で一様に雪や雨が降っているわけではなく、強く降っている場所と弱い場所があるのがわかります。風向きによって、どのエリアまで雪雲が流れ込んでくるのかも変わってきますので、レーダーでゲレンデ周辺をチェックするとよいでしょう。
tenki.jpスキー&スノーではゲレンデ毎に積雪深や週間予報を確認することができます。最高のコンディション、雪のち晴れを狙ってみて下さい。週間予報では、天気予報や気温、風向風速のほか、ゲレンデ状況もチェックすることが出来ます。気温が低く乾き雪になると、サラサラのパウダースノーが楽しめますよ。湿り雪は水分を含んだ重い雪なので、初心者の方はターンしにくくなることもあります。雪のち晴れでも、湿り雪より乾き雪のあとの晴れのほうがおすすめです。パウダースノーでは、エッジも効いてターンがしやすく、いきなり上達したような気分が味わえますよ。
さて、最高気温をチェックして・・・、0度以上!寒くなくてラッキー!・・・というわけにはいきません。気温が0度以上になると、雪は溶けてしまいます。特に最高気温が5度以上になると、多くの雪が溶けて、雪が重く感じられますので、怪我をしないように注意しましょう。さらに、その後夕方になって気温が下がったり、何日も雪が降らない日が続くと、アイスバーンになってしまいます。サラサラのパウダースノーとは違って、アイスバーンではエッジが効かず、ターンや減速・停止が難しくなります。初心者だけではなく、上級者も注意が必要なゲレンデコンディションです。アイスバーンの状態で転ぶと大変痛いので、プロテクターを装着するとよいでしょう。天気予報を味方にして、安全にスキー&スノーボードを楽しみましょう。
■プロフィール
齊藤愛子
日本気象協会本社勤務。
気象予報士/応用情報技術者/熱中症予防指導員
長野県出身。
特別豪雪地帯の長野県信濃町で生まれ育ち、寒さは苦手だけれど、特技はスキーとスノーボード。よく行くゲレンデは、黒姫高原スノーパーク、斑尾高原スキー場、タングラムスキーサーカス。
tenki.jpの編集部スタッフが厳選して制作した特別企画をご紹介します。
読み応えある記事をお届けしますのでご期待ください。
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