猛暑だと来シーズンの花粉は多くなるの?!夏の気象条件と花粉飛散量の密接な関係PR
これまでの夏の天候の振り返りとこれからの暑さの見通し
さて、この暑さがいつまで続くのか、とても気になります。気象庁発表の3ヶ月予報(7月25日発表)によると、今年(2016年)の9月の予報は、次のようになっています。
これまでの暑さで疲労のたまっている方も多いと思います。疲労がたまっていると体調を崩したり、熱中症になりやすくなったりします。十分な睡眠や栄養を取って、健康を維持したいですね。
花粉飛散と夏の気象条件の関係
花粉を飛ばすスギの雄花は、毎年7月頃からつくられ始め、秋にかけて成長します。雄花の成長には、日射量や降水量が影響を及ぼします。夏の時期に晴れの日が多く日射量が十分にあると、雄花は大量につくられ、翌年の春の花粉の飛散数が多くなります。反対に、くもりや雨の日が多く日射量が少ないと、雄花のつくられる量は少なくなり、翌年の春の花粉の花粉数は少なくなります。
今年は、各地で猛暑と騒がれています。毎日本当に暑いですね。花粉に焦点をあてると、7月は、西日本から北日本にかけての広い範囲で、日射量が平年よりも多くなりました。また、8月も、上旬は西日本から北日本で日射量が多くなっており、下旬にかけても西日本や東日本で晴れる日が多い見込みで、日射量が多くなりそうです。このため、主に西日本や東日本で、夏の時期の日射量が多くなり、来年の花粉の飛散数が多くなる可能性があります。
過去10年の東京都千代田区のスギ花粉の飛散数(日本気象協会調べ)は、以下のとおりです。
ちなみに、今年の東京の7月の日射量は、15.3MJ/m2(気象庁観測値)で、平年の1.05倍となりました。今年の夏の様子を見ていると、来年の花粉の時期に受験を控えている受験生や、結婚式や旅行など大きなイベントの予定がある方は、今のうちから花粉症の対策を考えておいたほうがよさそうです。
花粉飛散に備える 今から知りたい花粉対策
① 食生活による対策
花粉症への効果が示されている食品があります。そういった食品を摂取してあげるのも一つの方法です。よく言われているのが、『ポリフェノール』です。ポリフェノールには、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの生成を抑える効果もあります。ポリフェノールというと、赤ワインや甜茶に含まれる『甜茶ポリフェノール』や玉ねぎの皮に含まれる『ケルセチン』などが有名です。ポリフェノールの他、アレルギーの改善につながるものとして、ヨーグルトなどに含まれる『乳酸菌』もあります。『乳酸菌』は体内の免疫バランスを整えてくれる作用があると言われています。
② 生活習慣による対策
適度な運動をして汗をかくなど、毎日の生活習慣を整えることによっても、花粉症の症状の緩和につながることがあります。少し難しい言い方をすると、自律神経のはたらきを整えることに意味があります。自律神経には、緊張時に働く交感神経とリラックス時に働く副交感神経がありますが、適度な運動などで交感神経が優位な状態を作るようにすると、花粉症の症状が出にくくなります。また、生活リズムにメリハリをつけることで、副交感神経だけでなく、交感神経を使う習慣がつきます。今の時期から、花粉シーズンに向けて、メリハリのある生活で自律神経のはたらきを整えていくことも大切です。
③ 医療機関による初期治療
薬による初期治療を選択することもできます。花粉が飛び始める1~2週間前に医療機関を受診し、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを服用することで、発症してから薬を服用して対処するより、症状を軽減させることができます。また、日帰りの手術で、鼻の粘膜にレーザーを照射して症状を軽減させる方法もあります。ただ、粘膜は数ヵ月~2年で再生するので長期的な効果は期待できません。最近では、『舌下免疫療法』という治療法が注目されています。スギ花粉症の症状を和らげるだけではなく、スギ花粉症を治すことも期待される根本的治療法です。今から始めることで、スギ花粉の飛散量にもよりますが、いつものシーズンより症状が軽減することが期待できます。また、この治療は今年より来年、来年よりは再来年と、効果が高くなっていくものですので、なるべく早く実施されると、次の花粉シーズンをより楽に過ごすことができます。
今から次の花粉シーズンが憂鬱な方もいらっしゃるかと思いますが、早めの対策で、次の花粉シーズンを乗り切りましょう。