雨だけじゃない、恐るべき台風の威力!暴風がもたらした台風被害ランキングPR
1991~2015年の台風被害について集計
暴風被害が上位に!台風被害ランキング(過去25年間)
※台風に見舞われると、人命にかかわる被害のほかにも、家屋の浸水、耕地・車両・船舶への被害など多方面に影響がでるため、正味の被害総額算出は難しいです。このためtenki.jpラボでは、このうち「住家の全壊・半壊・一部破損(以降、住家と呼ぶ)」の被害件数(※理科年表調べ)と支払保険金額(※一般社団法人 日本損害保険協会調べ)による被害状況を対象にしました。
住家被害、支払保険金額ともに、1~3位までは同じ台風がランクインしました。さらにこの上位の台風について見ていくと、台風に関するアンケート調査によると台風による被害としては比較的「水害」のイメージが強いという結果となりましたが、驚くべきことに、台風被害の上位を占める主な原因は「大雨」よりも「暴風」によるものが多いという結果になりました。
歴史的な被害、1991年台風19号「りんご台風」による暴風被害
そして、第2位の2004年の台風18号でも全国的に風害に見舞われ、各地で建物の倒壊や倒木が相次ぎました。最大風速33.3m/s(最大瞬間風速60.2m/s)を観測した広島では、厳島神社の国宝左楽房の倒壊など文化財への影響もあり、当時ニュースで大きく取り上げられました。
台風による被害は風、大雨、洪水など複合的な状況下で発生し、台風が通るルートによっても規模が大きく変わってきますが、台風時は雨だけでなく、風による被害にも十分注意し、事前の準備をするようにしましょう。
時には電柱や建物までも破壊する、脅威の「暴風」の強さ
・何かにつかまっていないと立っていられない。
・細い木の枝が折れたり、根の張っていない木が倒れ始める。
・看板が落下・飛散する。
・道路標識が傾く。
・車は通常の速度で運転するのが困難になる。
といった状況になります。
そして、更に風速が強まり「猛烈な風」レベルになるとそのスピードは特急電車並みになり、走行中のトラックが横転するような状況になります。さらに平均風速40m/sを越えると、住家の倒壊や電柱が倒れることもあります。それだけ「暴風」は強大なエネルギーを持っているのです。
台風接近時は不要な外出は避け、これらの被害を受けないよう、具体的なイメージがわかると身を守る行動にも移しやすいですね。
※平均風速は10分間の平均風速のこと、瞬間風速は、ある瞬間の風速を示します。最大風速は平均風速の最大値、最大瞬間風速は瞬間風速の最大値です。また、有義波高とは、波高データの上位1/3の平均値です。