【2014年お天気総決算】お天気10大ニュースPR
1位 関東甲信を中心に2週連続の記録的な大雪
7日から9日にかけての雪では、東京都心で27センチ、千葉県千葉市では観測史上1位となる33センチの積雪を観測。さらに翌週の14日から16日にかけては、内陸部を中心に前週を上回る記録的な大雪となり、山梨県甲府市では過去最多の倍以上となる114センチの積雪が観測されました。
日本列島が強い寒気に覆われていたことに加え、本州の南海上を低気圧が急速に発達しながら通過してまとまった降水となったことが、大雪の主な原因となりました。道路や鉄道の通行止めで複数の地域が長期にわたって孤立状態に陥ったり、亡くなられた人もいたりと、各地で大きな被害が発生しました。
2位 御嶽山噴火、上空の風に流され甲府でも降灰を観測
気象庁は、御嶽山に対し同日12時36分「火口周辺警報」を発表しました。噴火による火山灰は、上空の風に流され、同日18時30分には御嶽山から約100km離れた甲府気象台で降灰が観測されました。秋晴れとなった土曜日のお昼時であり、死者57名、行方不明6名(2014年10月23日現在)と多くの登山者が犠牲になる戦後最悪の火山災害となりました。
行方不明者の捜索は、台風による雨や降雪により難航し、積雪などによる二次災害の恐れもあることから、10月16日に年内の捜索が打ち切られました。火山に対する安全対策強化に加え、観光業など地域経済への影響も深刻な状況で、今後の対策が課題となっています。
(Photo: NASA Earth Observatory)
3位 西日本各地で8月に豪雨
上旬は台風第12号、第11号が相次いで日本に接近または上陸し、台風周辺の風と太平洋高気圧縁辺の風によって南からの暖かく湿った空気が長期にわたって流れ込み、四国地方を中心に記録的な大雨となりました。また、中旬から下旬にかけては、日本海沿岸付近に停滞していた前線に向かって暖かく湿った空気が入り、北日本から西日本の広い範囲で大気の状態が不安定となり、24時間降水量が200ミリを超える大雨が各地で観測されました。特に20日には広島県広島市で大規模な土砂災害が発生し、多数の犠牲者がでました。8月の月降水量は、高知県高知市の1561ミリをはじめ、近畿・四国地方を中心に18地点で統計開始以来8月としては最も多い記録となりました。この西日本を中心に全国各地で発生した大雨は、気象庁により「平成26年8月豪雨」と命名されました。
4位 大気の状態不安定 東京で大粒のひょう/5位 台風第18号、第19号 2週連続で台風が上陸
(左)4位 大気の状態不安定 東京で大粒のひょう (右)5位 台風第18号、第19号 2週連続で台風が上陸
5月上旬から6月下旬にかけ、日本付近を低気圧と高気圧が交互に通ったことから、頻繁に大気の状態が不安定になり、激しい雨や雷に見舞われました。5月9日の午後には、関東地方のあちらこちらで雷雲が発達し、東京と宇都宮では直径8ミリのひょうを観測。また、6月24日の午後には、関東地方の広い範囲で大気が非常に不安定になり、東京都三鷹市や調布市の一部で激しいひょうが降りました。中には、数十センチの高さまでひょうが積もり、地面一体を覆ったところもありました。気象庁によると、東京都内でまとまった降ひょうを確認したのは2007年5月以来、7年ぶりのことです。
5位 台風第18号、第19号 2週連続で台風が上陸
10月には、6日に台風第18号が静岡県浜松市付近に上陸、翌週13日に台風第19号が鹿児島県枕崎市付近に上陸(高知県宿毛市付近および大阪府泉佐野市付近に再上陸)しました。連続した2つの台風上陸の影響で、全国的に各地で降水量の多い月となり、特に東日本では平年の約1.7倍に上りました。台風第18号は、大型で非常に強い勢力を維持したまま接近・上陸し、本州付近に停滞していた前線の影響も加わって、東日本太平洋側を中心に記録的な大雨となりました。4日から6日にかけての総降水量は、東日本太平洋側を中心に400ミリを超え、静岡県や神奈川県の太平洋側を中心に土砂災害、浸水害等の被害が発生しました。続く台風第19号も、日本列島を縦断する経路で全国的に大雨をもたらし、3連休の天気に影響を及ぼしました。
6位 沖縄・三重・北海道、1年間に3か所で大雨特別警報/7位 8月、西日本の大雨と日照不足 そして11年ぶりの冷夏
(左)6位 沖縄・三重・北海道、1年間に3か所で大雨特別警報 (右)7位 8月、西日本の大雨と日照不足,11年ぶりの冷夏
7月から9月は、南から北まで日本各地で大雨特別警報の発表が相次ぎました。7月8日には、大型で非常に強い台風第8号の接近に伴い、沖縄県本島地方と宮古島地方に「暴風・波浪・高潮・大雨の特別警報」が発表されました。台風を要因とした特別警報の発表は、2013年の特別警報運用開始以降初めてとなりましたが、約1か月後の8月9日にも、台風第11号の接近・上陸により猛烈な雨となった三重県に大雨特別警報が発表され、台風による特別警報の発表が続きました。さらに9月11日には、北海道で初めてとなる大雨特別警報が石狩・空知・胆振地方に発表されました。こちらは、低気圧や上空の寒気の影響で大気の状態が非常に不安定になり、これまで経験したことのないような大雨となったことによる特別警報の発表となりました。いずれも各地で記録的な大雨となったほか、土砂災害による家屋倒壊や住宅浸水などの被害が発生しました。
7位 8月、西日本の大雨と日照不足 そして11年ぶりの冷夏
8月は、太平洋高気圧の西への張り出しが弱かったことに加えて、次々と襲来した2つの台風(台風第12号・第11号)と、太平洋熱帯域の海面水温が大気の対流活動に影響を及ぼして偏西風が日本付近で大きく蛇行したことが原因で、南からの暖かく湿った空気の流れ込みが長期間継続し、西日本を中心に曇りや雨の日が多くなり、大雨に見舞われた地域もありました。そのため、西日本太平洋側では、降水量の平年比が統計開始以来最多、日照時間の平年比が統計開始以来最少となるなど、西日本各地で記録的な多雨・日照不足となりました。また、西日本の夏の平均気温は、2003年以来11年ぶりに低くなりました。この天候不順により野菜が高騰したことや、台風第11号の影響で夏の高校野球の開幕日が2日順延となったことも話題となりました。
8位 「ひまわり8号」打ち上げ成功/9位 日最高気温ランキング、北海道がトップ10を独占
(左)8位 「ひまわり8号」打ち上げ成功 (右)9位日最高気温ランキング、北海道がトップ10を独占
10月7日14時16分、次期静止気象衛星「ひまわり8号」が、種子島宇宙センターからH-IIAロケット25号機により打ち上げられ、同月16日19時00分には、所定の静止軌道に投入されたことが確認されました。今後は、軌道上での機能確認試験等を進め、平成27年夏頃より現行の「ひまわり7号」から観測運用を引き継ぐ予定になっています。従来の「ひまわり6号・7号」と比べて大幅に機能が向上した「ひまわり8号」では、(1)解像度が2倍に(日本付近は1km格子)、(2)地球全体の観測時間が30分から10分ごと(日本付近はさらに細かい2.5分ごと)に、(3)画像の種類が5種類から16種類になり、より詳細な観測が可能となります。そのため、局所的な豪雨や台風の状況も今より正確に把握でき、的確な予測情報にもつながっていく事が期待されています。
9位 日最高気温ランキング、北海道がトップ10を独占
6月上旬、北日本は高気圧に覆われ、北海道を中心に記録的な暑さとなりました。3日~5日の3日間で観測された「全国の日最高気温の高い順位」は、3日連続で北海道が上位10位を独占。中でも、3日の日最高気温1位を記録した十勝地方の音更町駒場では37.8℃を観測し、北海道の最高気温記録を更新(1924年7月12日帯広市帯広とタイ記録)し、その他の多数の地点でも、各地点における観測史上1位の最高気温の値を更新しました。これは、高気圧に覆われたことによる強い日射と、上空に入りこんだ真夏並みの暖かな空気が原因と考えられます。そのため、北海道内では熱中症で救急搬送された方が急増しました。
10位 全国的に好天に恵まれた皆既月食 各地で赤い月を観測
「日本気象協会が選ぶ2014年お天気10大ニュース ランキング」は、気象を中心に、地象や水象などの日本気象協会が取り扱う情報の中から、日本気象協会に所属する気象予報士127名が、2014年(2014年11月まで)に特に印象に残ったニュースとして選んだものです。
※「2014年のお天気10大ニュース ランキング」の10位の記載に誤りがありました。
当該箇所は、12月17日10時頃に訂正いたしました。ご迷惑をお掛けいたしましたことをお詫び申し上げます。
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