12月22日 二十四節気「冬至(とうじ)」~日短きこときわまる
冬至梅(とうじばい)
広く知られている「冬至湯」のほかにも「冬至」とつく花や季語とともにお届けします。
※初候・乃東生ず(なつかれくさしょうず)、次候・麋角解つる(しかのつのおつる)、末候・雪下麦を出だす(せつかむぎをいだす)
「日短きこときわまる」一年で一番昼が短い日は、命が終わる日?
遠い昔は、日差しと闇の時間の差があまりに大きいことから、「命が終わる日」だと考えました。現在、私たちは健康を願い柚子湯に入りますが、その始まりは厄払いのための禊ぎ(みそぎ)だったという説もあります。
冬至と言えば…?
私たちは祖先の時代から健康を大切にして生きていることがわかりますね。しかしそれだけではなく、花や季節の景色を愛でることもとても大切にしてきました。
「冬至梅(とうじばい)」をご存知ですか?12月の冬至の頃からほころぶ梅の花です。野梅(やばい)の一種で、色は紅と白、花びらは一重と八重があり、各地の梅園で年末のあわただしさの中人知れず咲いているけなげな花です。
「冬至」の頃に咲く花「冬至梅(とうじばい)」、「菊冬至(きくとうじ)」
菊冬至という名の椿
その一つは、早咲きの梅「冬至梅」。早咲きの品種の一つで、冬至の頃から楽しむことができます。そしてもう一つが「菊冬至」という名の椿です。椿なのに「菊冬至」という名前にインパクトがありますね。名前の由来は「菊綴じ(きくとじ)」という行司の装束などの縫い目の補強のために付けられた房飾りに由来すると言われています。
ふたつとも季節の花として今、楽しむことができますので、ぜひ見つけたら声をかけてあげてくださいね。花は人の声をちゃんと聴いています。
皆様が、この一年を良い年として締めくくれますよう、冬至のこの日祈りつつ…。
≪参考文献≫
・俳句歳時記「冬」 角川学芸出版編