冬眠するのは動物だけではありません。冬は山も眠る?
『山が眠るの?どうやって?いつ起きるの?』
気になりますね。
山を表わす季語から、冬の山を見つめてみると…
山を表わす季語の不思議
「山眠る」という季語…言いえて妙、とはこのことでしょうか。
他の季節はどのように表現されているかと言うと…春は「山笑ふ」、夏は「山滴る」、秋は「山装ふ」と言います。
春の芽吹きに微笑み、夏の瑞々しさは滴るようであり、秋は裾模様の彩りを装う…そして冬、山は木々の葉を落し、雪に包まれてそれまでの疲れを癒すように眠るのです。
四季は一日でもあり、人生のようでもあり…
冬は、やがて来る春に、新しい芽吹きを始めるためのお休みタイムです。「山眠る」という言葉、とてもしっくりきますね。
また、その四季は人生にも重なります。
思春期・青春など、10代~20代には「春」を表わす言葉があるのもうなずけますね。さしずめ、30代~40代の働き盛りは「夏」。50代~は自らの経験が装いとなる「秋」を思わせます。次の命(世代)へと繋ぐ「冬」は、人それぞれ後継者を意識する頃、でしょうか。
一日でも、人生でも…眠る時間はとても大切な時ですね。
さらに、七十二候という節目には…
12月7日に「大雪(たいせつ)」(二十四節気)を迎え、七十二侯では、7日~11日「閉塞冬成(へいそくしてふゆとなる)」、12日~16日「熊蟄穴(くまあなにちっす)」を迎えています。
ちょうど今、季節は睡眠時間に入り始めているのです。
そして、眠りながらもしっかりと、目覚めの準備も始めています。
気忙しい師走ですが、歩いているときに街路樹を見上げてみて下さい…桜やハナミズキの枝に、小さな小さな芽を観ることができます。
『山眠る』今も、命が育まれていることを感じてみてください。