日本一巨大なラワンぶき。北海道の足寄で収穫はじまる
背丈3m。茎の太さ10cm!! 巨大なラワンぶき。北海道の足寄に自生
人の背丈よりも高いフキがビッシリ
ラワンぶきは背丈が3メートル、茎の太さは10センチにもなり、見上げるほどの巨大なフキを実際に目にすると、その大きさに圧倒されます。
日本で出回っているフキは、一般的に「フキ」とよばれているものと、背丈が2メートルにもなる大型の「アキタブキ」の2種類のみ。よく食べられているフキは前者のフキのほうで、足寄の巨大なラワンぶきは、アキタブキの仲間と見られています。
「ラワンぶき」という名称は、JAあしょろの登録商標
ラワンぶきは2001年には北海道遺産にも選定されました。また、足寄町や農協、観光協会などでは、ラワンぶきの種苗などを足寄町以外に持ち出すことを禁止しています。北海道及び足寄町によって大切にされているラワンぶき。その大きさを一度、目にしてみたいですね。
巨大化する要因を九州大学が解明。川の水の栄養が成長を促進していた
九州大学農学部附属北海道演習林の智和(ちわ)准教授らによるグループは、足寄町とともに、なぜ螺湾(らわん)地区のラワンぶきだけが巨大化するのか、2015年8月から調査を開始しました。その結果、川の水に含まれる栄養分が大きな要因であることを明らかにし、その研究成果は2021年、学術雑誌に公開されました。
ラワンぶきは、螺湾(らわん)川や茂足寄(もあしょろ)川に沿って自生しています。これらの上流には雌阿寒岳のふもとから流れる河川があり、この川の水には、植物が成長するために必要な窒素をはじめ、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウムといった栄養が、ほかの平均的な川より約10倍も多く含まれているというのです。
このように、川の栄養、つまり自然の恵みによってラワンぶきが巨大になることが、研究者たちの調査によって明らかになりました。この貴重な成果は2021年1月、国際学術誌「Scientific Reports」(オンライン版)に公開されました。
見ごろは6~7月。6月に収穫が始まり食用に
刈り取られたラワンぶきは食用として販売されます。収穫は7月上旬まで。生産者によると、今年のラワンブキは軟らかくて食べやすいとのこと。道内のスーパーなどでも販売されています。もし、こんな大きなフキがプレゼントで届いたとしたら、贈られたほうはとてもビックリすることでしょうね。
参考
あしょろ観光協会:ラワンぶき
JAあしょろ:日本一おおきなフキ ラワンぶき
北海道十勝足寄町:ラワンブキが巨大化する原因を解明
九州大学:日本一巨大なフキ「ラワンブキ」はなぜ大きいのか? ―巨大化の原因解明に挑む―
北海道ファンマガジン:ラワンブキ、日本一の巨大フキ
十勝毎日新聞:足寄 ラワンブキ収穫始まる
北海道新聞2021年6月15日夕刊5面:水も滴るラワンブキ 足寄
川沿いにビッシリ