「穴ぼこ」だらけの道路は、北海道の春の風物詩!?
雪がとけると道路が穴やヒビだらけ。道外から来た人はビックリ。
ツギハギだらけの道路。補修の跡がパッチワーク状に。
北海道に引っ越しした人が、まず驚くことの一つに、春の道路がツギハギだらけで、あちこちに穴やヒビわれが多い、ということです。車や自転車を運転しているとハンドルをとられ、スムーズに運転しにくいこともあります。ちょうどタイヤが走行するラインに沿って、深いヒビわれが長く続いていることもあるので、そこを避けるために、あえて道路の左側に寄って走る場合もあります。
雪がとけてせっかく走りやすくなったはずなのに、肝心の道路が穴だらけでガタガタ。このような“悪路”は北国以外ではあまり見られないといいます。では、どうして春になると北海道では道路に穴やヒビわれが多くなるのでしょう。
小さなヒビに水がしみ込み、凍結と融解を繰り返し、穴が大きくなる
道路が1日中凍結していることが多い1~2月は、ヒビわれの中にしみ込んでいる水分は凍ったままなので、ヒビわれに加わるタイヤの衝撃は少なくてすみますが、3月になると雪どけが始まり、アスファルトがどんどんもろくなるため、道路のあちこちにある穴が一気に大きくなるのです。
このように、冬期の気温が低いことが原因で、北海道では春の道路でヒビわれや穴が目立ってしまうのです。
アスファルトがポロポロと崩れ、フチが角ばった穴になる場合も
穴にタイヤをとられる!! 春の道路は走行注意
道路のアスファルトは土砂の上に敷かれているので、底面は土砂と接触しています。表面だけではなく底面にもともとあった小さなヒビわれにも水がしみ込み、冬になると、凍結→融解→衝撃が繰り返されます。すると、今度は、表面のアスファルトのようになだらかに陥没するというのではなく、アスファルト自体がボロボロに小さく砕けてしまいます。
アスファルトが底面から壊れてしまうと、下に敷かれている土砂が見えるほどの深い穴になってしまいます。しかも、穴のフチが角ばっているので、運転しているとタイヤがガタガタと当たり、かなりの振動になります。大きい穴だと、幅が50cm以上になることもあり、運転する側からするとタイヤがパンクしそうで、恐怖さえ覚えることもあります。
参考
北海道ファンマガジン:北国の道路は春先になるとなぜガタガタになるのか?そのメカニズムとは
丸山・安倍・木村, 2014:融雪期に発生する舗装の損傷実態と損傷のメカニズム
雪がとけると、道路のヒビわれが目立つ