遠くに見える山の「雪形」。残雪の形を何に見立てる?
残雪の形が何に見える? 鳥? うさぎ? ワニ?
北アルプス・白馬の「武田菱」。武田氏の家紋 “四割菱” が山頂に!
雪形の見え方は二種類に分けられ、白く残った雪の形で見るのが「ポジ型」、雪が解けたことによって現れる黒っぽい岩肌の形で見るのが「ネガ型」といわることがあります。五龍岳の武田菱は岩肌の形で見るので「ネガ型」となります。
参考
白馬ハイランドホテル「春の雪形ウォッチング」
安曇野市役所「雪形とは」
福島市から眺める吾妻小富士の「種まきうさぎ」。桜のころに現れる
昔は、山に種まきうさぎが現れるころを見計らって田畑の農作業を始めました。雪形が農事の暦として重要視されていたため、その呼び名も、単なる「うさぎ」ではなく、頭に「種まき」がついて、「種まきうさぎ」と呼ばれるようになったのでしょう。
日本各地には雪形を農作業の暦がわりにしたり、豊作か凶作かの目安にしたりしていた地方がたくさんありましたが、農業は機械化が進み、技術が進歩し、天気予報が発達したため、雪形に頼らなくなってきました。しかし、福島の種まきうさぎをはじめ、雪形が観光資源となっている地方もあり、現在は雪形ウォッチングが開催されたり、雪形のお菓子などが作られたりしているところもあるようです。
参考
浄土平・吾妻山[磐梯朝日国立公園]「種まきうさぎ」見ごろ♪
石川県白山自然保護センター 白山の自然誌29「白山の雪形」
見えるままに見立てる新しい雪形。ちょっぴり笑いのエッセンスも
「飛び立つ鳥」に見える?
北国にお住まいの方なら、山にはまだまだ雪が残っています。雪形の写真を撮って、自分なりのタイトルをつけてみるのもおもしろいかもしれませんね。
雪形を農作業の暦にするという風習はだんだん継承されなくなってきましたが、遠くに冠雪している山が見える地方に住んでいると、山の雪が解けてきたからそろそろ家庭菜園の苗を植えようなど、実際に雪解けを目安にしている方もいらっしゃると思います。
5月上旬になると北海道は桜のシーズン。標高の高い山の雪解けが始まる季節です。
この雪形は何に見える?