姫路城、あの白さには訳がある~優美な匠の技を今こそ見に行こう
別名白鷺城の雄姿のみならず、新しい歴史探索も楽しみな姫路城です。
平成の大修理を終えた姫路城。白鷺城ならぬしろすぎ城?
天然の建築資材、漆喰による塗籠(ぬりごめ)造り
また今回の修理で屋根の瓦7万5千枚がすべて葺き替えられましたが、その瓦の継ぎ目も、分厚く漆喰を塗って固められています。そのため下や斜めからの角度によっては、瓦の色よりも漆喰の白さのみが視野に入ります。その結果天守はまさに、鷺が羽を広げて飛び立つ瞬間の如く、白くそびえ立って見えるのです。
風雨に晒されれば、漆喰の白さも風化していく
物語の宝庫・姫路城を新たな角度から発見しよう
そのひとつが、徳川秀忠と江(ごう)の娘で、夫・豊臣秀頼が大坂城で自害した後、この城で本多忠刻と再婚した千姫の、哀しい晩年。ほかにも、怪談「播州皿屋敷」の舞台ともいわれた、「お菊井戸」や、地元に実在し、許されぬ恋を引き裂かれた、お夏・清十郎。いずれも、小説や浄瑠璃にも取り上げられたモチーフです。
今城内では、専用アプリ「姫路城大発見アプリ」をダウンロードして、スマートフォンなどの端末を各スポットでかざすと、動画や写真による解説を楽しめます。長い間地元で愛されてきた姫路城に流れる悠久の時間を、改めてあれこれと楽しみたいものですね。新緑の眩しいこれからの季節にこそ、その白さを体感したい姫路城に、今こそ訪れてみましょう。
参考文献・メディア
NHK 歴史秘話ヒストリア
『なんでこんなに真っ白なの?~いよいよオープン!姫路城 美の秘密~』
http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/235.html
姫路城大天守 保存修理工事 | 鹿島建設株式会社
http://www.kajima.co.jp/tech/himeji_castle/index-j.html